日本のアニメBDが売れないの、だから第二期が展開できないとの話とか

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先日から内部関係者の語りとして、実質的には普段から言われていることの焼き直し的な部分が多々あるのだけど、BD(ブルーレイディスク。要は映像ソフト商品としてのお皿)の売れ行きが悪いと、創り手側の実入りが少ないので、第二期の展開にゴーサインが出ないなどという話がちらほらとネット界隈を騒がせている。直接のトリガーとなった一連の話の提示はあえてせずに、それを読んだ感想やらその他色々とまとめ書き。

当方が認識している限りでも結構前から似たような状況は起きていたし、類推もされていた。それが体現化、明確化されただけの話であり、また似たような状況は類似他産業でも同時に進行している。

無論これらをすべて数量的に厳密に精査し裏付けるには、相応の資料が必要になるんだけど、現時点ではそれをすべて「誰もが容易に手に入るような場所から」取得することは難しい。

本数をさばきたいのか、利益をあげたいのか、その辺が曖昧な感も気がする。当然オールオアナッシングではないけれど、どちらも全部、完全に行いたい、的な欲張り感が見え隠れする。またそれに連なる形で、販売商品としての品質の問題や、市場規模の精査など市場調査が弱い気はする。原作付きなら知名度の点でスタートが有利になることもあり、原作付きの映像ソフトが増えたけど、その上でテレビ放送からBDを展開しても、原作本ばかり売れてBDが売れない状況になった上で、そのことに不満顔ってのは、ちょっと変な気もする。目論見が甘くなかった? 自分では一生懸命やっていたつもりでも、例えば有名シェフの名前を冠した、味がへっぽこの料理を作って無かったりする???

原作本が売れる、つまり作品の知名度が上がって作品そのものの良し悪しの点で評価をする人が増えた。それにも関わらずBDが売れないのなら、BDに何か問題がある。品質だろうか? コストパフォーマンスだろうか? 販売期間や販売スタイル? それはBD側の問題。もちろん、多分にケースバイケースなのだけれど。

市場はどちらかといえば縮小気味。少なくとも伸びてはいない。5人の子供に5人分の料理を提供してお腹いっぱいだったところに、10人分なり20人分なりを提供しても、食べきれるはずが無く。さらに追加量の5人分、15人分で味がマズい、見た目がグロいものとかがあれば、手をつけてもらえないのも当然。それ位に、今の映像作品はタイトル数が増えている気がする。

「特典要らないからまっさらのお皿だけで安価で、海外のようなスタイルで販売してほしい」「声優吹き替えは無理だとしても、海外の放送事情に配慮した上で、英語などの他国言語字幕付きをほぼ同時に、世界に向けて発売する」など、色々と興味深い意見もある。日本国内の小さな市場で奪い合いする位なら、最初からもっと広い市場で、という発想もありかな、字幕付き同時発売ってのは。


この類の意見も多い。先の調査でも類似結果が出ている。当然テレビ放送版よりBD版等は色々と書き換え、書き直しはしているけれど、それを見たいと思う衝動は、一つ一つの作品に対する注力の減退で、小さなものになっている。購入というハードルを越えて特定作品のBDを手にするぐらいなら、新しい作品のテレビ放送を観ることで、アニメを観るという願望は充足してしまう。


そういやここ数年、急速にテレビ番組における字幕スーパー入りが普及しているけれど、BD版はどうなんだろう。当方自身は最近その類のソフトを買っていないので確認はできないけれど、もし字幕が無いのならば、この意見は大いに納得ができる。特に親子で見るような作品の場合は、ね。


この辺りも大よそ本質をついている、そして結局のところ問題点は同じなのだな、と実感させられる。限られたリソースを食いつぶしあいのみで手にし、リソースそのものの拡充を考えていない、そこまで頭が働かない、そんな感じ。あちこちから甘そうな水に引き寄せられてやってきた他市場がリソースを食いつぶしているので、見た目は派手になっているけれど、それを支える購入側のお財布事情がプラス化されなければ、そりゃ分散化するわな。

成功している事案もよく思い返してみると、多くは巧みに他市場、界隈からリソースの補充を行い、拡充に成功している。種はまかなきゃ芽が生えてこないし、畑を広げなければ作物量は拡充されない。品種改良という手もあるけれど、自ら作った作品を思い返し、その品種は「改良」されているかな、と。

結局のところ、映像コンテンツ系BDの販売にしても、他の商用作品と同じで、やるべきことにあまり変わりは無い。アニメだから、マニア向け市場だからとたかをくくっている部分、ないかしらね?

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このページは、不破雷蔵が2015年9月30日 07:34に書いた記事です。

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