「顧客の声を聞いていたら製品がどんどんダメになる」という話

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これは多分にしてケースバイケースであり、この類の話を取り上げると必ずと言ってよい程「そんなことはない、客の話は聞くべきだ」とか「聞き方が悪い」などのツッコミがあり、そのツッコミ自身が今件事案の裏付けにもなりかねないという禅問答的な部分もあるのだけど。

商品・サービスに対する利用者からの意見ってのは、問題を抽出してくれたり、改善すべき状況の指摘をしてくれるので、下手なチェッカー、デバッカーよりも有益だったりする(まぁ、利用者にβテスターをさせるなって声もあるけど)。

一方で人は得てしてネガティブな意見を声高に掲げ、ポジティブな意見は黙っているのみで反応しないってのも事実。漫画などのアンケートでも、良い悪いなどの選択肢ならともかく、具体的な意見表明となると、ポジティブな意見は書きにくい。読書感想文を想起すれば理解はできるはず。

で、ネガティブな意見が具体化して投げられやすいので、寄せられる意見ばかりを利用者の声として認識し、それに対応する改良版を創っていくと、段々と奇妙なもの、先鋭化したものが出来てしまい、汎用性が低くなる。当然、一般受けはしなくなるので、商業的には失敗する。人気シリーズのゲームソフトの続編で結構あるパターン。まぁ、その先鋭化が逆に功を奏し、大いに受けることもあるけど。

他方、指摘では「9割の人が満足して」とあるけれど、これも実は違う場合が多い。満足している人は1割ぐらいしかおらず、残りの8割は満足でも不満足でもないグレーゾーン的なもの、いわゆる「普通」的な立ち位置の場合もある。優れた他商品なりサービスがあれば、すぐにそちらにシフトする可能性を多分に秘めている。

本当に9割の人が満足した状態ならば、残りの1割の声への傾注は慎重になる必要があるけれど、そうでない場合は満足している人の割合を増やすために改善をする必要がある。その際に「意見をする1割の人」の声が役立つ事も多い。少なくとも体現化され、状況をつかめるわけだからね。

だから今件は、頭でも触れているけれど、ケースバイケース。ただ、そのような場合があるってことをあらかじめ覚えておくと、発想を縛られずには済みそうだ。

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このページは、不破雷蔵が2015年7月12日 07:08に書いた記事です。

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