1/2の成功率で10回やって5回成功する...とは限らない話と、ゲーム内乱数と確率論

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人によっては運不運とか、またまたとか偶然とかいう形で話のネタにされるけれど、数式的に50%の成功率の判定がなされているものに対し、10回やったから必ず5回成功するとは限らない。大数の法則の逆的な考えと表現すれば良いのかな。自分がかかわった経験の数は限定されるので、理論的確率に近づくのに十分な数では無く、時としてばらつきが生じてしまうというもの。調査集計の際に、調査対象母集団が少数だとぶれが生じる、みたいな。

そして概して人は心理的に、ネガティブなことの方を覚えているもの。結果としてマイナス部分のみが記憶に残り、明示されている確率より低い結果が自分に起こっていると誤認してしまう。そしてそのネガティブな方向の誤認をした人が声を挙げるので、第三者から見ればマイナス的なものばかりが目立つ。「大和が一発で出たよ」「大鳳など余裕に出たけど」なんて話はあまり聞かない。


ただ、数理的には確率論の上で問題ないにしても、不幸な事案が個人ベースで発生することはありうる。それを黙認して「可能性としてあることだから」で済ますのか、それとも何らかの対処を取る、数理的確率と心理的確率は別物だから、少々上乗せする措置を取るのかは、各サービスの運営上の方針次第。

まぁ、この辺は仕組み次第でいくらか改善は出来る。当たりハズレの場合、個人を特定されてやっかみが来ないような形で当たった人を公開して数理的・確率論的には問題ない状態であることを、外れた人に認識させるとか。例えば受験の合格者発表の時みたいに、ね。一方、指摘の通りロジック上の乱数は真の乱数とは異なるので、その辺りの考慮をする必要はある。


これは当方も計算し直してハッとさせられたのだけど、期待値を積み重ねてしまえばそれが条件達成に至った時に必ずその条件が発動するってわけじゃない。というより期待値の積み重ねが出来ない事案もある。それぞれサイコロを振るケースは独立しているから、例えば6個のサイコロを一度に振って、それで必ずどれか1つに「6」が出るとは限らない次第。単純に1/6を6回足して1だから、必ず出る、と誤認してしまう。これが心理的期待値というところかな。

例えばこれが、1から6までの数字を書いたカードを箱の中に入れて、一枚ずつ取り出していき、6が出たらアイスを貰えるようにした場合(引いたカードは戻さなくてよい)、6回引けば必ずアイスはもらえることになる。この場合とカン違いしてしまう(麻雀やポーカーなどではよく行われる確率計算だよね。場中に出ているものは二度出る可能性は無いので、それらは今後出る可能性のあるものから除外される)。

ともあれ、確率論ってのを考えながらあれこれ操作すると、ゲームの世界も違った目で見る事ができるようになるというものだ。

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このページは、不破雷蔵が2015年7月18日 07:56に書いた記事です。

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