本の紹介・解説が検索に引っかからなくなってきたという話

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今件はあくまでも一例で、似たような話は以前からちらほらと耳にしてはいたけれど、やはり実態として覚える人はいるものだし、色々と考えさせられるものがあるなぁ、という事例として。

本の数が減っているとか読者の数が減少傾向にあるという話ではない。まぁ、時間やリソースをネット周りに奪われている、電子書籍の場合はそこからダイレクトに感想を入力できるフォームにリンクするものも出ているので、感想が第三者に半ば開示される機会が減っているのは確かだけれど。

指摘の通り「他愛もないレベルの感想」を中心に、ソーシャルメディアにシフトしちゃった感は否めない。

検索エンジンそのものがノイズの山に埋もれて、感想を精査しにくくなったってのもある。ツイッターなどでは改善の兆しがあるけれど、FacebookやLINEなどでは語られた話は検索結果には展開されない(FBページならまだしも)。指摘の通りソーシャルメディアそのものに絞って検索をすれば結構出て来るけれど、あまりにも雑多なものとなっているのに加え、絞込みのキーワードが無いので統計値としての集約は非常に難しい。

また、いわゆる本に対するレビューサイトも少なからずがソーシャルメディアに移行してしまったり、更新を止めてしまっている(実はこれ、アマゾンのアソシエイツプログラムの利率が思いっきり下げられたってのも大きい)。

結果、総情報量としては変わらない、むしろ増えているのかもしれないけれど、これまでのようにネット上から各本の感想...というか反応が抽出しにくくなっている。まぁ、ツイッターなどで直接作者にリプライ的な形で投げるって手はあるけれど、どれほどの人がやれるのかを考えると、数の上では首を傾げざるを得ない。そしてネットが普及すればするほど、逆にハガキなどのアンケートの結果が貴重なデータとなっていくという、皮肉な状況が生まれる。

まぁ、ケースバイケースではあるけれど。そして「ハガキを出す」という行動のハードルが相対的に高くなっている以上、その意見を鵜呑みにする、読者全体の代表的意見とするのは、リスクも上乗せされている可能性が高いのだけど。実情として、ネットの感想は以前よりも届き難くなっているってのは覚えておいてもよいだろう。

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このページは、不破雷蔵が2015年6月 7日 06:23に書いた記事です。

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