アリの穴から堤防は崩れる。だから明確なガイドラインとその順守は大切

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これは病院に限らず、例えばスーパーやデパート、図書館、イベント会場の開館時間でも同じことがいえる。決まりに対するイレギュラーに、ちょっとした善意で例外を設けてしまうと、その例外を当たり前のように認識し、さらなる例外の拡大が求められることになる。そして規則はなし崩しとなり、余計なリソースの消費が必要となってしまう。

「少しぐらい融通を利かせるべき」云々って話を見聞きした時に、その大部分は「融通を利かせたことで生じる中長期的な損失」を無視した、善意に見える、その実は下手な悪意よりもたちの悪い意見だったりする。その善意を行使するために余分に消費されるリソースはどこから持ってくる? その善意を例外として認めた場合、今後似たような状況が生じた場合はどうすればいい? 誰がその判断をする? その判断の正統性はどこに求める? より多くの損失が、問題が、浪費が、その善意から生み出されてしまうことになる


これは何にでも言える事で、一度「ズル」を許すと許された人は学習して同じ事を繰り返し、さらにその穴を広げようとする。それを阻止したり閉じようとすると「何で今度はダメなんだ」と逆切れするのがオチ。だから明確なガイドラインの策定とそれの順守は欠かせない。


世知辛い世の中との表現も当てはまるかもしれない。ただ、ワガママの暴走はより多くの人の不幸をもたらし得るリスクがあり、それが現実のものとなっている以上、より多くの人の便益を考慮するためには、しっかりとした線引きは必要不可欠。

誰だって自分の利益は最大化したい。しかし個々がそれぞれそのワガママを押し通すと社会は混乱し、結局皆が不幸を被ることになる。それを避けるための人間の社会的知恵がルール化でありガイドラインの設定に他ならないのだからね。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月17日 09:20に書いた記事です。

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