「図書館増えると本が売れなくなる」的な心配は......?

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先日の本家サイトの【じわりと増える図書館数...図書館や博物館数動向をグラフ化してみる(2015年)(最新)】【図書館の貸出冊数や利用者動向をグラフ化してみる(2015年)(最新)】のような、「図書館増えてるよね」「利用者増加しているよね」的なデータを出す際に、恐らくはあるだろうなと感じていた懸念。やはり当方だけでなく、同じような考えを持つ人はいたようで、ちょっと一安心。出版業界側からすると「買わずに借りて読んでしまうではないか」的な考えを持つ人も多いのだろうな。図書館での館内閲覧や貸し出しは、立ち読みの延長上にあるような発想も無くは無い。

これ、具体的な因果関係を調べた調査ってないんだよね。それ以前の話で、「図書館増設反対、本が売れなくなる」という意見を公式リリースなどの形で出版業界から出された記憶は無いので、公的見解としては無いのだろうし、私的意見も確認が取れない。まぁ、逆に「図書館ボンガボンガ作ってくれれば出版業界も活性化するかも」との意見も関係方面から聞いたことはないけれど。

ただ、「インターネットで電子書籍を販売すると物理的書籍が売れない」との意見が今なお山積している所を見ると、多分にある気はする。本ではないけど同じ紙媒体の新聞が特にそんな風潮があったから。

図書館の増設、蔵書の増強、開館時間の延長は、読書機会の習慣化との観点ではプラスになると思う。一方で「読むだけでいいや」という類のロイヤリティ(対象商品への熱中度、信奉度)を有する人に対する商売の点ではマイナス。まぁこの辺りはCDとYouTubeの関係みたいなもので。あるいは電車内におけるスマホと雑誌。

ただ、ビジネス業界紙で「読み捨ての雑誌の需要は減退してるので、保存しておける書籍ライクな雑誌にすればいいんじゃね?」的な発想をしていると思われる専門雑誌が結構イケてる成績を収めている。これは先日【ビジネス・マネー系雑誌部数動向】で、「PRESIDENT」「THE21」がその戦略を用いているっぽい話はした。

要はケースバイケースで、すべて良し、すべて悪しってわけではないんじゃないかなぁ、と。

個人的には「図書館で借り受けて、あるいは館内閲覧で済んで満足してしまうような類の本の場合、それがたとえ図書館で手に取れる機会が無かったとしても、そもそも存在は知られえないだろうし、知っていたとしても購入までには滅多に至らない」「それよりはその本の存在を多数の人に知らしめて、その本自身、さらには関連本に興味関心を抱かせて購入動機を誘うような機会を呈することが出来る、見本市みたいなものを公的機関が展開していると思った方が良い」と考えてはいるのだけどね。

図書館と書籍の実購入のルートを連動させることができれば、面白いことになる気もするのだけどな。図書のレビューサイトに掲載されているアマゾンの広告経由での書籍購買率が高くなるのと同じ理由で、さ。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月 5日 08:15に書いた記事です。

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