「みんなのポケモンスクランブル」の課金システムが結構オモシロいという話

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先日のDeNAとの提携も合わせ、任天堂もようやくゲーム分野におけるダウンロードコンテンツだの課金だのといったシステムに本腰を入れ始めた感がある。それを改めて認識させてくれるのと同時に、色々と試行錯誤をしていることが分かるのが、今回指摘された「みんなのポケモンスクランブル」の話。

2015年4月8日から3DS用に展開を始めたタイトルで、基本はダウンロードコンテンツでパッケージ売りはナシ。4年前に発売されたパッケージソフト「スーパーポケモンスクランブル」のリバイバル版みたいな感じで、すれ違い通信の本格利用やMiiの登場などが追加要素。さらにいえば無料ダウンロードできるのが最大の相違点。

で、無料な以上、課金アイテムなどでそろばん勘定をするのは他のゲームのビジネスモデルと同じではあるのだけど、その課金の方がかなり興味深い。指摘の通り、課金アイテムの購入上限は4800円分。それ以上は課金が出来ない。この価格、前作となる「スーパーポケモンスクランブル」の税込価格(当時)と同じだったりする。で、課金上限に達したら、あとはその課金で積み増しできるアイテムが無料で少しずつゲットできる仕組みとなる。


課金の累積がソフト購入相当額になったら、以降は課金が不可能になって、課金で手に入るアイテムが自動的に少しずつ配布されるようになる。つまり課金をドーピングの費用との概念に加え、「お題は見てのお帰りだ」のお題に相当するような感じでとらえているらしい。お題分を払ったら、あとはフリーで遊べるよ、みたいな。

無論、無課金でも少しずつ課金でもらえるアイテムはゲットできるので、気長に遊んでいる分には無課金で通せるし、ゲームの収益モデルとして客単価が頭打ち、しかも月次で考えれば古参プレイヤーが増えれば増えるほど落ちてくることから、従来のネットゲームとは異なるビジネスを考える必要が出てくるのだけど。ほら、売り切りパッケージの場合は新たなコストはかからないのでプレイヤー当たりの売り上げが頭打ちでも問題ないけれど、ネットゲームである以上メンテナンス費用はずっと計上され続けるでしょ? 

あるいはアレかな。元々無料ダウンロードコンテンツなので、サービス終了そのものを一定期間の後に実施するスケジュールが既に組まれているのかもしれない。人気が出れば「2」にシフトし、その際に再度購入上限をリセットするとか、さ。......ああ、それを「大型アップグレード」と称すれば、何の問題もないわけだ。

なるほどこれは頭がいい。多分に試行錯誤が必要だろうけど、任天堂側も恐らくは、色々なビジネスモデルのテストケースとして今ソフト「みんなのポケモンスクランブル」を立ち上げた感はある。今後動向を注意深く見守りたい所だ。

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このページは、不破雷蔵が2015年4月13日 08:10に書いた記事です。

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