節約志向とお金の大切さと効率問題、そして時間の区切りの話

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お金は多種多様なサービスや物品の姿形を変えたもの。それこそ時間までもがその価値として内包される。雑な例えとして、物理学的な時間をお金で買うことは出来ないけれど、お金で自分が消費する時間を短縮させることはできる。歩きで3時間かかる所を電車賃を払っていけば30分でいけるので、2時間半を電車賃分で購入できたという感じ。

デフレ時代にとりわけ浸透した節約志向から、たとえ手間暇をかけてもお金の出費を抑えることが美徳であるかのような風潮がまん延してしまった。それはそれで一つの正論には違いないのだけれど、費用対効果を考えると首を傾げるところもある。上記電車賃の例なら、電車賃を払う位なら2時間半余計に歩くのは節約になるけれど、それで遅刻をしたら元も子もないし、行き先の限定市で良いものを買い逃してしまうかもしれない。

今件の指摘にもある通り、ちょっとした節約の仕方が、逆にリスクを上乗せしてしまい万一の時に節約した以上の損失を被る可能性が出てきたり、成果物の質を下げてしまうことがある。一見すると何ら違いは無いように見えるけれど、そこかしこで、少しずつ生じる影響。その積み重ねが体現化した時には、もう後戻りが出来ない程酷いことになっているような......そう、例の某大手ファストフードで起きてしまったと言われている、改善化・コスト削減の顛末みたいな話。「画材やその使い方は贅沢した方がいい」ってのは至極名言。良いものにはそれなりの理由があり、それに触れ続け使い続けることで、効率が維持されるのはもちろんだけど、良いものに対する感性が磨かれるってのもある。その逆が安物買いの銭失いってところ。


作業効率が老化によって低下するので、無茶が出来なくなるってのは一因として確かにあるのだろう。それと同時に、歳を重ねるに連れてやること、やらなきゃならないことが増えて、一つのタスクにかけられる時間、リソースが減ってしまうってのも、効率化を強く求める理由じゃないかな。新入社員が概して単純作業に没頭し、昇進するに連れて色々と複雑なことをマルチタスクでするよう求められるってのが良い例。


これは非常に分かりやすい例で、ちょっとした出費を抑えるために、余計に費やすコストが、効率面からそろばん勘定をすると「割に合いません」的な回答となってしまうもの。

あと、歳を云々ってあるけど、これは歳に関わりなく、没頭しすぎるってのは注意が必要だなってのを思い知らされる。遊びの部分が無く、調整が難しくなるような仕事を求められるに連れ、その遊びの部分がある前提で作業をしていると、玉突き事故が起きやすくなってしまう。仕事の場合は特にそう。時間割で時給計算が出来てしまうからね。数時間無駄にすると、いくらの損失となるかってのが、ぱっと頭に出てしまう。

そして「どんなに入れ込んでいても、中途半端な状態でも、休憩を入れる」ってのはとても大切な話。夢中になった方が効率よく仕事を出来ることも多いけれど、その分消費するエネルギーも大きく、加速の時点で過負荷が生じている。そのままの状態を継続していると、オーバーヒートする。定期的な時間にコーヒータイムを設けたり息抜きをするなどの、気分転換が必要。フリーな職種でそれが難しい場合は、例えば一定時間ごとに作動するタイマーなどを用い、アラームが鳴ったら一休みって形にすればいい。当方も自宅で作業をする場合はその手法を使っている。

ともあれ、節約はやり方を間違えると自分の身体の過負荷や質の低下、時間の浪費を招くことになる。それでも節約をすべきか否かは、個々の状況によって異なってくる。そもそも論として、なぜそこにお金が発生しているのか、自分が対価を支払っているのかを考えてみれば、本当に節約すべきか否かは分かってくるんじゃないかな。

以前ちょっと話したかもしれないけれど、5本100円のボールーペンを買ってもすぐにインクが出なくなったり線がかすれて全然使い物にならない、1本150円のちょっとしたものの方がよほど使いやすく長持ちする。あるいはソーシャルゲームで数日かければ達成するイベントを、課金を使って数分でクリアできる場合、その数日をかけるだけの労力と、課金分のコストを天秤にかけたら、自分にとってはどちらが本当にお得なのかな。「お金」そのものの存在意義と共に、考えてみるのもアリかもしれない。

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このページは、不破雷蔵が2015年4月 4日 08:30に書いた記事です。

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