農水省の「食料・農業・農村基本計画」がいまだに「国民は芋を食え、そして戦争に備えよ」と勘違いしている話が多い件

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先日の【農水省の「食料輸入が止まっても芋を食えば大丈夫」的な話のあれこれ】の後日談的な話。その記事を見れば分かる通り、いくつかのツイートをした上で話をまとめたのだけれど、その個別ツイートなどに対して、いまでもいくつかリプライがあったり、記事を参照した上で上記の通り「農水省は国民に芋主食を強要している計画を持っている。これはその第一歩だ」「戦争への歩みの地盤固めに違いない」と論調するものが後を絶たない。

戦時中の食糧不足における芋作の情景が強烈に連想されるってのもあるのだろうけど、実際に弾薬の投げ合いによる武力行使における戦争の場合、近代戦ではそんなことをやっている余裕はない。経済的な交渉、やりとり、規制を戦争と呼ぶのなら、すでに戦争は日本が戦後独立した時点から始まっている。食料輸入国各国がどれだけ食料の輸出制限をしていると思っているのだろうか。

詳しくは先の記事でも言及しているけれど、消費する食料の多分を輸入に頼っている現状では、その比率を少しでも下げる事、状況の変化に応じてさまざまな手立てを試行錯誤するのは、ごく当たり前の話。防犯マニュアルの策定みたいなもの。「そんな状況が想定すること自体が問題だ、不謹慎だ」というのは、リスク管理そのものをまったく理解していないのに等しい。鼻で笑われても文句はいえない。


他方、「芋を食え」と誤読した人に対し、「ならば芋だけで数百もの美味しい料理を作りましょう」と「信長のシェフ」的な発想をして場をひっくり返すのはどうかなあ、と思ったのだけれど。よく考えてみたらそんな話は昔はともかく今では、クックパッドなどのレシピサイトを検索すればすぐに出来てしまうこと。なんか時代の変化を覚える話ではある。

ちなみに消費者庁でも似たようなコンセプトで、食べ物の無駄を減らすためのレシピをクックパッドと連動して展開している。


スーパーの商品詰め棚あたりに置かれている「お得レシピカード」みたいな話だけれど、結構面白い内容も多いので、チェックしてみる事をお薦めするよ。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月21日 07:14に書いた記事です。

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