時代を感じるのは通信手段、そして描写がいい加減だと作品の質も......

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先日の【漫画の世界の「常識」の変化をコミュニケーションツールで知る】の後日談的な話。先の記事では固定電話から従来型携帯電話、そしてスマートフォンへと目まぐるしく変わる人々の連絡ツールの変遷を漫画の中でも良く知ることができ、またそれが反映されていないと作品へのがっかり感もあるし、逆に反映されていると身近さを覚えることもできる、でも作品を作る側からするとすぐに時代遅れ感が出てしまうので色々と大変だ......という話。そういやアニメ版の「寄生獣」もスマホ周りで原作との違いについて色々と物議をかもしたってのもあったっけ。

で、長期連載をしている現代もの作品では往々にしてその辺りの問題がネックになるのだけれど、その点では「こち亀」は色々な意味で良くできている話ではある。元々その色合いはあったのだけれど、最近は特に時節ネタを持ち出して解説したりあるあるネタを展開して共感を読者に覚えさせるってパターンが増えている。漫画には多かれ少なかれその要素があるのが普通なんだけど、特化している感が強いんだよね。作者の別の作品を読むと、あらためて良くわかる。


見方を変えると、その辺の描写がしっかりしていないと、作品としては今一つになってしまう。明確に判断は出来なくても、何となく違和感を覚えさせ、質に対する評価が下がるボタンを押してしまっている。舞台を見ていて書き割りのボロさに気がついたり、時代劇の背景に飛行機雲を見つけてしまったり、江戸幕府の将軍様が横文字を使って説教したり、そんな感じかな。

「設定厨」と言われるほどにこだわるのも問題かもしれないけれど、ちょっとした工夫が作品の良しあしに係わってくるし、それをしっかりとこなしている作品はつい手を取ってしまうもの。そのこと自体に気が付かなくても、読む際の違和感を覚えさせない、世界に没頭させるってのは、やはりその辺が大きいのではないのかな。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年3月 9日 08:10に書いた記事です。

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