現在の「報道」と、その手段を手に入れた「不特定多数の人たち」との違い

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先日の【「報道」のハードルが下がった現状と従来の「報道」が特権を有する理由と】に絡んだ話で、自分自身もまとめて補足して考え直すと、色々と思うところがあるかなあというところではあったんだけど、出張の準備やら何やらで忙しい状況の中、興味深い話が取り交わされ、これは自分自身の考えにもつながる、共通するものがあるし、今後の再検証の際にも必要な話が色々と語られているようなので、ざっとまとめておくことにする。

お金勘定は非常に大切な話で、それ無くてはご飯も食べられないし生活も出来ないし人材も育てられないのだけれど、報道が報道たる意味合い、色々な優遇措置を受けられ特権を得られるのは、そのお金感情の部分では無く、不特定多数に対して実際起きている事象を伝えるという、社会的責務によるもの。それが揺らいでいる、ないがしろにされている、さらには「報道」を名乗っている旧来のグループだけの特別技術で無くなっているからこそ、「報道」の質の低下が叫ばれ、今件のような「境界線なんてないやん?」的な疑問符がバルカンファランクスレベルで投げつけられることになる。


報道する側が一方的で特権階級的だった、そしてそれに値するだけの技能と環境を持っていた存在から、誰もが持っている技能環境を持つ、ごく普通の存在になってしまった。質が落ちた......というのも最初に触れたお金にウェイトが云々って部分であるのだろうけど、むしろ多くは技術の進歩による相対的な技能・環境格差の縮小にあると思う。この辺りは先日の記事での「馬に乗った裸の王様」や「高解像度の業務用デジカメと同品質の民生用カメラが発売された話」で分かるはず。ヘタすると今や、報道と一般の人の違いは(誰かが指摘していたけれど)「報道」の腕章やネームプレートをつけているか否か位でしかない。

一方で「報道」と呼ばれる人たちは極度に自分達が取材されることを嫌う。同じ事を不特定多数に行うものの、自分がその対象となるのは何故か拒否反応が強い。これは経験則から明らかであるし、実名報道における見解でも何度となく見聞きしている。いわく「報道の自由が侵害、萎縮されるから」というものも一因のようだけれど、それって特権階級認識を自称していることになるだけのような。事案の内容で対象が報道勢となれば、それは報道関係者であろうとなかろうと、取材対象でしかない。


資格云々に関しては「報道の自由ガー」で猛反発がくるであろうことは容易に想像が出来るし(先日の旅券問題が良い例)、他方で資格免許みたいなものにおける効用を一方的に添付させて他に威光として用いているのが、上記で示した「報道」の腕章なりプレートなり名刺なのではないかな。似たようなものとして「ジャーナリスト」な肩書とか(冷笑)。

一方で一般人に準・登録制ジャーナリストみたいな制度を採用して一定の権限を与えるのは、その権限の乱用リスクと、登録を許諾した側の報道の責任に関して期待が出来ない事(何しろ既存の、社員などへの責任追及もままならないからね)もあり、問題は大きい。やはり個人個人の責任・力量によるところとなるのかな......ということで、上で当方が述べている、アメリカの新聞報道記者の現状のスタイルが見えてくる。その意味で、ウェザーニューズの手法は、その環境が特殊でシステムとして構築しやすかったこととはいえ、斬新には違いない。


この辺りは震災後特に、そしてさかのぼればリーマンショックや直近のサブプライムローン問題に始まる金融恐慌、さらにはニュースとエンタメをごちゃごちゃにして受けてしまったニュースステーションの放送辺りからの問題ともいえる。少しずつ問題となる要素は膨らんでいき、複雑化し、さらに巨大化し、お金の要素と絡んで、さらにメディアの進化に伴い一気に表に出てきた感じがする。


ここも重要。これについてはまた別途。いわゆる「集合知」の問題。それが容易になされる時代となってしまったのも、報道に関する問題の一つ。まぁ、悪用される事例も多々あるし、人は善意にのみ生きるにあらず、さらに個人の善意は必ずしも他人の善意とは限らず、正義の物差しは人によりけりってのがウィークポイントでもあるのだけど。

さて、日本の報道はこの荒波にもまれずにその姿を正しい形で進化させていくことができるのだろうか。

まぁ、楽しければいいじゃんってのも一つの考え方ではあるんだけどね。それってエンタメであって報道じゃない。エンタメを報道のカバーをつけて売るのは産地偽装みたいなもんだ。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月 7日 08:41に書いた記事です。

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