図書館の本に付せんを貼ったり線を引いたり破ったりする行為、今ならスマホでOKなのに

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先日東大で論文の3/4ほどがコピペだったのが発覚して単位取り消しになったことをウェブ上でリリースとして公開した事案に絡んで。確率論的に人数が集まれば、どうしてもイレギュラーな対象は発生しうる。そのイレギュラーな内容が時代に合わせて変わっているだけと考えれば理解はできるのだけど。図書館の利用者におけるイレギュラーな存在ってのもあるわけで、それがこの付せん貼りや線引っ張り、該当部分を破るような事案。ああ、これは図書館利用者全体というよりは、学生による利用者に限った話かもしれない。


......ある程度理解はできる。他人のものは自分のものと同じようなものだから、自分のものと同じように扱って構わない。だから付せんを貼ったり線を引くのも自分の本と同じように、しかも乱雑に扱ってしまう。

ただこれね、逆の可能性もあるんだよね。ある程度自分で本を買った事がある、持っている、その上で図書館の本に狼藉を働くような場合。理由としては「自分のものでないから乱雑に扱っても構わない」という発想。公共の所有物、皆の物、他人も使う物という概念がどこかへ吹き飛んでいて、自分の物であるか否かという物差ししかない。自分の物は大切にするけれど、それ以外は消耗品、使い捨てで構わないという感じ。本という物質そのものを大切にする発想があれば、そのような所業はしないはずなんだけど、それも持ち合わせていない感は強い。


線を引いただけで覚えた気になる、勉強した満足感を覚えるってのは、うなづく人も多いのでは。よくあるのは、参考書を買っただけで満足してしまう、過去問を手に入れただけで実際には手を付けない、とかさ。いわゆる「暗記ペン」の類も線を引いてオシマイじゃなくて、その線の部分にシートをかけて見えないようにして、暗記しているか否かをチェックすることで、少なくとも何度となく読み通してチェックした部分が大切だということを認識して記憶することで、初めて勉強になるというのに。

あと、コピーなり写真を撮るよりも、書き写した方が暗記しやすいってのは、経験則上大いにうなづける。実際、書き写すことでさまざま器官を動かし活用することになるので、それが記憶にプラスとなるのだろうな。面倒くさいけれどね。


ページを破り取るのは、まさに参考書や過去問を手に入れるのと同じ程度にしか考えていない人の切り口。要はコピーするのも面倒くさいしお金がかかるからイヤだ。公共物なんてのも知ったこっちゃない、バレなきゃいい。お金をかけずに自分の手元に収めて安心するのには、本そのものを盗取するのが一番だけれど、それでは犯罪になるので該当部分だけ破ってゲット......てな感じなんだろうな。もちろんページを意図的に破って盗取するのも犯罪には違いない。

「こういったことをしてはいけません。もしするとこんな罪に問われますし、色々な人がこのような形で迷惑をこうむります」ということを教育啓蒙する必要があるんだろうな。その上で、それでもなおやらかしてしまうのなら、その人本人の素質の問題なんだろう。

ああ、もちろん。図書館内ではスマホなどによる撮影を禁止している場合もある。その時にはやっちゃいけないことは言うまでもない。他方、図書館の場合は大抵コピーサービスが用意してある。素直にそれを使えば良いまでの話。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年3月14日 08:40に書いた記事です。

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