なぜ未だに「国」表記を用い続けるのだろう...中東ダーイッシュ(ISIL)問題

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ネット界隈では「イスイス団」「イスイス盗賊団」などとも呼ばれている、例の中東の武力組織、ISIL。最近ではダーイッシュと表記すべきだとの話も結構出ているけれど、今なおテレビや新聞などの各主要報道機関では、その多くで「イスラム国」との表記を用いている。当初平記で記述していたのが、カッコ表記としたり、「いわゆる」をつけるところもみかけるようになりつつあるけれど、誤解を招く、そして宗教観点の上で問題視されている部分はなお残っているので、解決には至っていない。トルコ国営放送の記名ではあるけれど、ついにトルコ大使館からの公知文まで登場し、抗議に近い要請文が出てしまう始末。

この件に関しては、ちまたの噂で「スポンサー企業が云々」とか「政府がこう決めたのでそれに従うと言論の自由が云々」とか、さらには「最初にいっちゃったので直すのメンドイ云々」というのがあるけれど、具体的かつ明確で公的な説明って、まだ見聞きしたことが無い気がする。なぜここまで問題視されているのに「国」との表記に固執するのか。これだけ当時関係者からクレームの類が出ている以上、ちょっと前まで報道各社が問題視していた、ヘイトスピーチそのものを自ら手掛けていると指摘されてもおかしくは無い。

読売新聞は記事の中で、「国家」と区別するため、初出でイスラム過激派組織「イスラム国」と表記し、2回目以降は、イスラム国としている。

脳みそ云々はともかくとして、使うべきでは無いとの論調が色々と出ており意見が成されているとの話もある中で、「でも俺らは使い続けるぜ」というしめで文を終わらせているあたりは、確かにズッコケるものがある。


むしろ逆に、ここまで頑なな件と、その事由が明らかにされない点で、色々な妄想が脳内を駆け巡ってしまう。自らがヘイトスピーチを行っていると指摘されるリスクを抱えてまで(この件は恐らく、今後ずっと言われ続けるだろうね、具体的かつ納得のいく説明がなされない限り、報道側がヘイト周りの話を持ち上げるたびに)使い続ける意図はどこにあるんだろう。

「東日本大震災」との名称も、当初は「東日本大震災」や「東北関東大震災」とかも使われていたけれど、政府閣議で名称を決定し発表してからは、ざっくりと各メディアも切り替えている。阪神・淡路大震災もそう。国周りの話にしても、昔特殊浴場を指していた国名についても抗議がなされてから利用を取りやめたし、台湾と中華民国の話もおかしなことになる。スポンサー企業云々ってのも、NHKまで右に倣え状態だから理由付けにはならない。だったら「ダーイッシュ」で良いわけだし。

ホント、報道の常識は世間の非常識になりつつあるねえ。

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このページは、不破雷蔵が2015年2月10日 07:57に書いた記事です。

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