実書店が減るとウィンドウショッピングでの「出会い」が減るよね、という話

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ヤフーニュースのダイジェストアイコン的なイメージカット、またどでかいのに戻ってるじゃん......という内輪ネタはともかく。実店舗としての本屋が減っているというのは、本家サイトの記事【書店数とその坪数推移をグラフ化してみる】で実数字を知るまでも無く、肌身を持って感じている人も多いはず。当方も行動領域内で複数の本屋が閉店し、普通の民家に戻ってしまったり、保育所に代わってしまうという経験を有しているだけに、この「新しい本と巡り合う機会が失われる」というのはよく理解できる。スーパーで生鮮品売り場に足を踏み入れ、ちょいと目に留まった野菜を使ったメニューを考えたり、コンビニの商品棚に目を配り、オモシロ新商品を見つけて手に取って買ってみるとか......。それと同じようなことが、本では出来なくなりつつある。


将来的にはバーチャルな本屋がそれを代替してくれるといいなあ、とは思うのだけど、データの構築などを考えると結構難しい。それこそFPSのような画面で本屋が構成されていて、実本屋と同じ品ぞろえがしてあって、立ち読みもできる......なんてものは、システム的にはさほど難しくは無いけれど、運用のコストがかかりすぎる。不動産のような単価が高い商品ならともかく、本のようなものとなると、ねえ。まぁ将来、アマゾン辺りがやってくれそうな気もするけど。


古本に関しては単なる物質として扱うのか、著作物として扱うのかという観念の違いで、上記のような「作り手に恩恵がいかない」という問題点が生じてくる。冷蔵庫や洗濯機、調度品なら問題はないはずなのに。ああ、ゲームの中古品問題やアプリケーションの不正コピーも似たような問題だな。

ゲームの違法コピー問題に関しては、一つの方策として、無料でアプリを配ると共に、スタンドアローン的なゲームであってもオンライン接続を必須なものとして、各種データやアップデートを有料で行うという切り口がある。これならいくらアプリが不正に広まっても提供側に対価を支払わないとアイテムやデータ、アップデートの恩恵は受けられず、ゲームに夢中になればそれらに手をつけるのは必須だからだ。要は体験版を無料で配って、後は対価を支払って......というのを断続的に行っているようなもの。

本にもこの仕組みが利用できれば面白いことになりそうな気がするのだけどね。まぁ、クライアントサービス、購入したような表現ではあるけれど実際にはアクセス権を買っただけの、現状の電子書籍って、実のところはこの考えに近しいのだけれど。

まだまだ試行錯誤が必要なんだろうな。本周りの話は。

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このページは、不破雷蔵が2015年1月10日 08:20に書いた記事です。

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