「提供される漫画やゲームはすべて無料」に慣れた人から有料が罪扱いされる時代

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現在精査中の某社の調査結果では、20代の人に「基本無料のコンテンツで対価を支払っても良いと思うか」との問いに、大よそ3割から4割が良いと回答する値が出ている。もちろんコンテンツの質などケースバイケースなんだけど、見方を変えると6割から7割は「お金は支払わない」とする考えで占められていることになる。

確かにネット界隈は、有料の告知が無い限り、通信料や初期投資(端末そのもの)以外は原則無料。少なくとも自分がお金を支払うとのプロセスは感じない。図書館で本を読むような感覚に近いのかな。だから作り手側がリソースを投入してコンテンツを創り上げ、普通は対価として代金を支払うというお金のやり取りに疎くなり、むしろ無料で取得することを当然の権利のように思ってしまう。これは仕方がない。けれど啓蒙不足であるのも事実。モノを作るプロセスを学ぶ機会があまり無いのも一因なんだろうけど。そういや先日、新聞投稿で「無料の人も有料の人も同じような条件でネットゲームは創るべきだ」的な話が紹介されてたのを思い出した。


恐らくは「無料でくれ」と言った側も悪意があるわけでは無く、そもそも論としてその人たちの常識が「無料で手に入るのは当然だ」「自分が欲しいものは何でも欲しい。有料ではそれが妨げられる」程度でしかないのだと思う。つまり、世の中の常識、基本的ルール、内情を理解していない、知識として取得していない段階で、世の中にさらされてしまった感じ。例えるなら、お金の仕組みを知らずして商店街に放り出された箱入りのお嬢様が、勝手に店の品物を持ち帰ろうとして叱られるとか、駅の自動改札の仕組みを知らずして中に入ろうとして入れずにキレるとか、そんな感じ。

昨今問題視されている「ネット炎上」のきっかけとなる奇妙な所業の自撮り暴露とか、悪質系まとめサイトなどが良い例の「俺様さえ良ければ何でも良い」的な発想も、行き着くところはこの「無垢な子供がまともな世渡りのルールを教わらない状態で世の中に放り出され、自分の本能的欲求を体現化する形で行動している」表れなのかもしれないな。

話はそれたけど、今後もこのような「無料でくれ、それが真実」的な事例は数多く登場するだうし、その場でツッコミを入れても効果は無いと思う。なぜならそれを理解するための、根本的知識が欠けているから。今件対象の方は精神的ダメージを受けたとあるけれど、気にしないで事務的なお断りを入れるのが一番無難なんだろうね。

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このページは、不破雷蔵が2014年12月14日 07:53に書いた記事です。

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