吉野家の牛丼報道と人件費から「物事は複数の視点から見ることが大切なんだなあ」と思わされる

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先日本家サイトの記事【吉野家の牛丼、300円から380円へ値上げ・12月17日15時から】で伝えた、吉野家の牛丼などにおける値上げの話と、それに絡んだ色々な錯綜事案でもう一つ思ったことを。値上げ要因はリリースの記載の上では生産国アメリカでの干ばつによる供給量減退、中国をはじめとしたアジア諸国の需要拡大で値が継続的に上がっていること。加えて円安による取得額の向上(とはいえアメリカからの輸入に絞っているので為替周りで色々と工夫はしてるはずなんだけど......)、エネルギーコストの増大、人件費の上昇などなど。で、このうちエネルギーコストや人件費の向上については、あまり伝えられていないってのは先の記事でも言及した。リリースで言及されていない円安は、なぜかトップ的に伝えているのに、ね。

で、人件費の上昇は「大変だ」ってニュアンスだけで伝えられがちだけど、よく考えるとそれだけ従業員の収入が増えることでもある。間接的には労働市場が働き手側に優位になりつつある証でもある。一概に「良くないこと」的な発想で見ると、大切な部分を見落としてしまう。そりゃ企業側にすればコストアップで大変なことには違いないけど、人材の質を底上げできる、しいてはサービスの向上が期待できるという点では、人件費の上昇は悪いことばかりではない。

このように、一つの面だけで見るとネガティブな話でも、多方面の切り口で見ると案外悪いことではないことってのも多い。片面だけでなく、その裏面も見る必要があるということ。具体例は上記に挙げたような、今件の人件費の話だけではなく、日本の国債における引受先の問題とか。あとは裏表ってわけじゃないけど非正規社員の増加の問題とか。これは先の本家記事で、【人口動向も含めた正規・非正規就業者数などの詳細をグラフ化してみる(2014年)(最新)】などでも解説した通り。

まぁ、色々な切り口を考え出すとキリが無いし、ごちゃごちゃしてくるのも確かなんだけれどね。往々にして大切なものが隠されていることがあるので、無視しちゃいけない場合が多いんだよね。良い例だと先日の「円安倒産」の話も挙げられるかな。倒産事案そのものは大きく減っていたという。無論倒産そのものはゆゆしき事態ではあるんだけどさ。

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このページは、不破雷蔵が2014年12月10日 07:15に書いた記事です。

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