円安で国内回帰が始まった企業、でもゲームじゃないからすぐには、ね......

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直近の景気ウォッチャー調査でもちらほらと円安基調の継続で国内向けの工場移転や、これまで海外に発注していた発注元が自分の所に発注するようになってきたとの文言を確認し、ようやく動きが出て来たなという感がある。人件費についても本来それが当たり前で、それを賛美する環境そのものに関して、色々と想うところがあり、またそれこそが昨今の経済問題の一因ではないかな、と思いつつ。

両極端なのはどこかにひずみを生むのだけど、海外で安いからということで海外移転をした場合、それで出来上がった商品を購入する分には安上がりで済むかもしれないけれど、その生産行程は国内で回されないので、お金や物資の回転が起きないから、国内経済は生気を失ってしまうのだよね。これって結局、経済、お金の仕組みが理解できていないと生じてしまいがちな勘違いなんだよな。日本国債に係わる話と性質は同じ。安い方がいいから、海外に生産拠点を云々ってのは、例えばドバイのように、国内に膨大で限りが無い資源=財力の元手がある場合。


この辺りの指摘は大よそ当方の考えと類していて、なるほど感も強い。また同時に、恐竜の進化と滅亡に流れは似ているなあ、という雰囲気もある。デフレにマッチするために特化したら、環境が変化したら対応しきれなくなってしまったという話。機動力の高さと柔軟性が、大企業だからこそ求められるのだろうけど、それはなかなか難しい。保険、予備戦力、柔軟性。それらは発動する機会が無ければ無駄になる。そしてその類の無駄を悪しきものとして排除すれば、一時的な利益はより積み上げ出来るけど、柔軟性に欠けてしまう。

個人的には為替レートは100-110円台が適切かな、と以前は思っていたのだけど、どうもあちこちの話を聞くと、120円台が維持されれば生産拠点の国内回帰がかなり進むという雰囲気がある。具体的には調査なりの裏付けが必要なんだろうけど、具体的に複数からそのレートが出てきているので、ああ、そうなのかもなあ、という想いも抱き始めている。

一方で、ゲームではないのだから、瞬時に拠点移動などできるはずもなく、企業などにとっては対象となる為替レートが継続しないと、決断には至れない。来年になったらまた超円高だよ的なことにでもなれば、目も当てられない。通勤電車のルートを変えるような話ではないのだから(それこそ、定期を購入するようなものだと思えばいい。ルートを変えたから、今まで使っていた手持ちの定期を破棄して......なんてことはできないでしょ?)。

今後景気ウォッチャー調査においては、工場の国内移転や、発注先の変更などの文言について、もう少し注意深く見ていくようにしたいところ。

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このページは、不破雷蔵が2014年12月25日 08:26に書いた記事です。

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