今なおGDPの推移をドルベースで換算して比較しドヤ顔する筋が......

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あえて個別の指定はしないけれど、某ポータル個人ニュース(をぃ)の上位アクセスランキングに、日本の株価動向やGDPをドルベースで試算し、その上で日本経済は成長していないだの一定の法則があるだのとドヤ顔で語り、そしてなぜか「現行の」政権の経済施策は衰退しているという結論に至る、「作家、ジャーナリスト、出版プロデューサー」を自称する方がおられて、朝から目が醒めた。そして多数のシェアが成され、コメントでも「真実を知りました」的なものが複数寄せられ、ため息交じり。

先の選挙で某政党党首がGDPの推移をドルベースで示して「小学生でも分かる理屈です」と冒頭でドヤ顔して説明し、フルツッコミを受けた事例を知らないのかしら......というか、それでもなお同じような話がなされるってのは、猫だましとしては良いツールなんだろうな。


以前も言及したけれど、他国通貨のドルのベースで国内のGDP(国内総生産(こくないそうせいさん、Gross Domestic Product、GDP))の成長率を計算するのは愚挙でしかない。そりゃ国内の総生産の多分をドル圏に向けて売買しているのなら話は別だけどね。統計的・数理的には間違っていなくとも、論理としては間違っている。いわば数理のトリック。詭弁的なモノ。数字遊びとしては面白いので良いけれど、それを使って他人を持てはやしたり貶めしたり、さらには政治的な話に持っていくのは訳が違う。

ああ、先日発表されたGDPのOECD内順位も同じね。順位立てとしては面白いし、トリビア的なものがあるけれど、「だから何?」で終わってしまう類の物なんだよね。そりゃ上の方が嬉しいし、下の方では悔しいけれど、それ以上のものではない。そこに気を付けなきゃ。

......個人的にはこの類の、煽動的、ネタ的記事が好まれるってのは、ある意味仕方が無いのだけど、それを「評価」として受け取られてしまうってのは、色々と切なさを覚えるものがあるよなあ、と。検索エンジンの現状での評価同様、正直者、真面目な人が莫迦を見るってのは、やっぱりやるせない。

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このページは、不破雷蔵が2014年12月27日 07:37に書いた記事です。

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