有益そうに思えても、「それ」に気が付いた瞬間に思いっきり残念な気分になる記事

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これ絶対広告とは分からないよね、酷いね / パスワード使い回しで残高ゼロ:たった数文字の漏洩が破滅をもたらす時代 http://t.co/0SNcyp05bz @wired_jp

— ROCA (@rocaz) 2014, 11月 14


アングラサイトや別の個所で盗取したIDとパスワードのセットのリストを用いて総当たり的にアタックをかませる「リストアタック」的なものが頻繁に伝えられるに及び、パスワードの使いまわしを警告する話がこれまで以上に多く見受けられるようになった。ネットを使ったサービスが増えるにつれてパスワードを入力する機会も増加し、面倒だから同じものでいいやって事例が後を絶たないんだろうな、とも思ったりする。そりゃ確かに、自動車と自宅のドアと会社の机の引き出しの鍵が同じだったら便利だもの。そして物理的な鍵は手持ちにしていれば複数あってもあまり問題は無いけど、パスワードの場合は覚えていなきゃならないから大変。

で、そんな状況だからこそ「使いまわししてると危ないよ、リスクが高いよ」という類の話はなるほど感があるし、意義がある。でもね、今件のような展開では気が付いた瞬間に色々と残念に覚えてしまうし、啓蒙も台無しになっちゃうよ、という事案。

まぁ要は、企画広告記事というやつだ。

最近では「ネイティブ広告」というものの登場で広告と従来の記事の境界線がさらに曖昧になって、読者側は疑心暗鬼になっていることは否めない。今件の記事はいわゆるステルスマーケティングの類ではなく、各ページの下の方に「WIRED PROMOTION」とあるので、企画広告記事であることが確認できる。でも英語表記では目に留めない人もいるだろうし、ページの文末にさらりと書いたのでは「明記」したと評するのは難しい。そこまで気を配る人はどれだけいるか。

書かれていることは納得できる、十分有意義な話であるにも関わらず、それが広告記事だと分かった瞬間に「ああ、そうなのか」と思いっきり残念感で心の中が満たされてしまう。書かれてある事にも疑問符の多重攻撃をかましたくなる。少なくとも信じがたいものとしての認識が行われてしまう。涙と感動の実話による物語だと思っていたら、最後の最後に「この物語は僕の空想話で僕のデビューのための宣伝でしたぁ」とぶっちゃけられて、ドン引きするような感じ。

以前「配信側は広告が広告らしくないものを望むようになっている」という話についてふれたけど、その理由として「広告だと見てもらえない」ってのが挙げられている。でもそれって結局、広告だと本当のことが書かれているか否か疑心暗鬼に陥るというのが主な理由。今件のような(何しろ普通の記事と体裁はまったく同じ。目印は「WIRED PROMOTION」の部分があるだけ)従来の記事に混ぜる形で、分からないようにして展開する手法を繰り返すと、そりゃ最初は効果があるかもしれないけれど、じきに効用は薄れて来るし、さらに本物の記事に対する信頼感も失ってしまう気がするんだな。当方だけかもしれないけれども。

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このページは、不破雷蔵が2014年11月20日 06:02に書いた記事です。

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