セブン-イレブンのドーナツ全国展開、ミスドはどうするのだろう

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↑ セブンのドーナツは「セブンで売っている」ドーナツ
↑ セブンのドーナツは「セブンで売っている」一般的なドーナツ


実証実験的なことは随分と前からやっていたようで、今夏終わりごろからそれに加速が付き、本家サイトで【セブン-イレブンのレジ横ドーナツ「セブンカフェ ドーナツ」正式発表、来年8月末までに全国展開へ】にて伝えた通り先日からは正式にボンガボンガと店舗展開を行うことが決まった、「セブンカフェ ドーナツ」。やはり気になるのは、ドーナツをメインにしている外食他企業、特にミスタードーナツ。思い返してみれば夏ぐらいから色々と新発想のアイテムの展開頻度が上がっていたり、リリースには無いような小さなキャンペーンが増えていたなという感はあったのだけど、消費税率引き上げ後の消費性向の減退以外に、これが要因だったのだと考えると、道理は通る。

今後ミスドはどうするのだろう。いや、今後もドーナツをメインに売っていくことには違いないのだけれど。主要商品の需要をいきなり横から巨人がかっさらう形になったので、慌てふためいていることに違いは無い(予兆は多分にあったからそれなりに対策は講じているだろうし、だからこその各種動きがあるんだろうけど)。

「セブンカフェ ドーナツ」発表後に「販売しているドーナツが、ミスドのそれとそっくりだ」という意見がいくつかあった。その感想こそ、一つのヒントになるんじゃないかと思う。感想自身はちょいと誤解があり、「セブンカフェ ドーナツ」はミスドのドーナツの真似ではなく、ごく普通の定番なドーナツ達が、ミスタードーナツで大いに世間一般へと浸透し、それがイコールとして誤認されるようになっただけの話(それに厳密には、よほどの独自性が無い限り、料理やレシピに著作権や商標の類は認められ難い)。

つまり「セブンカフェ ドーナツ」は、ミスドのようなドーナツではなく、セブン-イレブンのカウンターで販売している「一般的なドーナツ」でしかない。名前からも分かる通り「コーヒーにマッチするドーナツも用意しましたよ」的な存在。今後可能性としてクッキーやら大判焼きやらたい焼きも登場する可能性はあるけれど、それらもすべて「一般的な」商品に過ぎない。また流通様式を考えれば、凝ったものは創れないのが道理。

ミスド側としては、「一般的なドーナツ」に加え「ミスタードーナツでしか食せない、ステキなドーナツのひととき」を提供して差別化する必要がある。セブンが汎用ドーナツを展開して数で推し進めるのなら、ミスドはスペシャルなドーナツ「も」提供することで集客を図る必要がある。......っていうか、同じものだけなら、数の論理にかなうはずもない。

すでにプレミアムな飲茶の展開や、クロワッサンドーナツやカップケーキといったものの発売も始めているし、来年からはダスキンでミートパイとコーヒーのお店「Pie Face」をはじめるので、それ絡みの企画も出てくるだろう。「汎用的なドーナツで十分」という客がセブンに流れるのは止められないけれど、来年以降の変身ぶりで、独自性を高めて生き残る道は十分にある。

......と思うのだけどね。先日の記事でも触れているけど、コンビニのオペレーションを考えると、これ以上の品目増加は難しいので、逆に小回りが利きにくいところがあるから、ミスド側はそこを突くのはいくらでも出来るはず。いや、例のモスのキャンペーンが結構上手く行った感があるので、できたてほかほかのおにぎりの提供を始める、なんてことはないだろうけれども。

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このページは、不破雷蔵が2014年11月29日 07:36に書いた記事です。

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