「これ描いてね」と未体験のジャンルを絵師に依頼する初体面の編集者...リサーチをしてから取材や問い合わせをしようよ

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先の朝日新聞周りの報道サイドの姿勢とか、それも含めた既存の報道業界における「報道」と「バラエティ」のごった煮化、「プレス」と「オピニオン」の同一視化周りの話と並行して雰囲気的に覚えるのが、全体的な質の低下。先の青色LEDのノーベル賞受賞の記者会見でも「せめて下調べしてから質疑応答に臨もうぜ、聞くべき話はそれじゃないだろ」的なツッコミをしたくなるような記者側の発言が見受けられたけど、どうも「自分達は特権階級なんだ」という自負ばかりが先行し、やるべきこととか必要最小限なことすら成されていない雰囲気がある。

そういう問題は得てして全体として斜陽な色合いのある業界で起きがち、体験談が伝わりやすいもので、今件のような雑誌業界でも良く聞く。描き手にアプローチをかけるのなら、せめてその描き手の事前作品などを調べて傾向をつかんだ上で行うべきはずなのに、ぱっと見だけですぐ行動に走ってしまう。「声をかけただけでありがたいと思え」「披露の場を設けてやるのだから幸いでしょ。後は俺達の言うことを聞いてね」と考えているのか、あるいは本当に何も考えずに「人気が出そうだから」という考えだけで話をしているのか。

でも声をかけられた側としては「結局良く自分達のことを見てるわけじゃないのね」「自分のどこを評価したのだろうか」と首を傾げるのも当然の話。


雑誌社側もある程度経験を積む、あるいはスキルのある人が教示していれば、こういう類の話は起きないはずなんだけど、そこまでの余裕が雑誌社側にも無くなってきたのかもしれない。あるいは上でちょいと指摘のあるように、ネット界隈の漫画コンテンツをつかみ放題のくじ引きか金鉱山と勘違いして、舐めた態度をしているだけなのかも。

もちろん中には綿密な下調べをした上で、「この人ならこのジャンルに展開させれば、必ず開花するだろう」という結果を出してアプローチをしてくる人もいる、はず。でもそれなら作家側から「なんでやねん」という形でのツッコミがはいることは無いよなあ。

電子書籍周りは特に、インフラをある程度整えておけば参入ハードルは低く、探そうとすればpixivやニコニコ静画、それこそツイッター周りでも容易にターゲットをリサーチできるので、ひと山当ててやろうという「漫画山師」的なものが出てくるんだろうな。もっとも、アプローチ対象に関して下調べをするってのは、特に漫画周りだけじゃなく、ビジネス全般、さらにはコミュニケーション全般に言える常識ではあるのだけどね。

......あ。だからこそ先日の「名声ゲットのためにコンテンツを盗用する」って筋も出てきているのか、と考えると道理が通ったりする。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月 8日 07:20に書いた記事です。

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