成果主義が労使問題、さらには現在のさまざまな社会問題のネックなのではという指摘

| コメント(0)


企業内の閉塞感や企業そのものの活力、人材(人員ではなく)不足や正規・非正規問題、可処分所得問題などにも絡んでくる話の一つとして最近色々と話題に登っている「成果主義」。昨今では否定的意見が増えているのだけど、逆に促進する企業も出てきていて、どうも意見は錯綜しているところがある。実際のところはケースバイケースでこれが黄金律的なものはないんだけど、ここしばらくは「成果主義絶対、間違いない」って雰囲気が蔓延していたのが事実ではある。


指摘にもある通り「成果主義」は分かりやすい手法の一つに違いはない。けどその「成果」を推し量るための基準や図る人(この場合は上司)のスキルに難があると、ずる賢い人......というか表面上の、既存の物差しでのみ図れる数字の出し方を学んだ人が実力以上に評価をされてしまったり、上司そのものの好き嫌いで多分に判断が変わったりしてしまう。また、その上司が該当する「物差し」を持っていないと、いくら企業に貢献できる存在でも評価をされないで終わってしまう可能性が高くなる。そして「成果主義」に偏りすぎた時、それを実行する「評価する側」のスキルが高かったとは、一概には言えなかったりするのが、悲劇だったりもする。上にある通り、企業側、あるいは一部の上司の都合の良いように「評価」がよじ曲げられてしまうこともあるわけだし。「自分の成果判断基準を企業がそのままそっくり採用してくれるわけでは無い」のよね。


そうなると、当然社員......というか新人を含めた一般社員は、経営陣や管理筋らを信用しなくなる。思い違いや過剰評価の部分もあるかもしれないけど、評価されなければモチベーションは無くなってしまう。何度となく触れているけど、「今努力して辛い思いが出来るのは、明日がより良くなるという確証があるから」であって、「明日も今日と変わらない、むしろ悪くなるらしい」ということになれば、誰もがやる気を失うのは当然のことなんだよね。

「成果主義」がちやほやされ始まったのって、色々調べた限りでは1990年前後。ちょうどこの頃って、年功序列制の否定や、成果主義の過剰賛美で、数字となって表れにくく評価されにくい部下教育が軽視されて、当時の中堅どころが「後輩の育成」より自分自身の営業成績を重視するようになった頃と一致するんだよね。さらにこの「当時の中堅どころ」って、いわゆる「団塊の世代」と多分に被るところがあるのかもしれない。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2014年9月27日 06:02に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「iPadのゲームに夢中になりすぎてバーサークモードに突入したワンちゃん」です。

次の記事は「「金に困っているとIQが30くらい下がる」」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30