「やんちゃジジイ」というキャッチコピーに覚える違和感

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介護云々という話はともかく。シニア層の行動を「やんちゃ」で片づけるのには多分な無理があるし、「ノドマ」だの「やわらかなんちゃら」だの、また妙なキャッチコピーが好きそうなところが仕掛けてきたのかなあ、と調べてみた所......今年の1月に準備号が出て、9月号に新刊として発売される「やんちゃジジイのための新雑誌『MADURO』」だそうな。


高齢者が今までのイメージにある大人しさ、清楚で紳士淑女的な姿勢だとビジネスとしては面白くないので、ハリキリ的なアクションをしてもらおうという啓蒙というか、仕掛け的な、流行作りのための雑誌の雰囲気があるのだけど。これってワルとかヤンチャとかとは別ベクトル・軸での考え方、行動様式だと思うのですけどな。

そもそもヤンチャと呼ばれる行為は、どちらかといえば「ルールに反する、やってはいけない」事柄。それがある程度許容されるのは、それが子供が成す行為で影響が限定されるから。例のシャアの名台詞「坊やだからさ」もその延長。ただし、高齢層が同じ事を同じ感覚でやると、元々財力もあるし権限も持っているものだから、その影響は大きなものとなる。それを「ヤンチャ」の免罪符で許容されると......困るよね、実際。

無論子供でも影響が大きいもの、法的に問題があるものは「ヤンチャ」でも済まされない。それは「ヤンチャ」を超えたルールで判断されるから。例えば子供が泥だらけになって帰ってきたら「あらあら、やんちゃだからね、この子は。気を付けなきゃダメでしょ」で済む。しかしお年寄りが自前の自動車に乗って暴走行為、さらに接触事故を起こしても「やんちゃだから」では済まされない。そのあたりが曖昧になっている、しているような雰囲気なんだよな。

見方を変えると、シニア層の暴走行為を肯定化、「やんちゃだから仕方がない」、表現を変えるとヤンチャという名前の免罪符を与えるための雑誌にも読めてしまう。雑誌の方針そのものに少々無理があったのではないかな、という意見にはかねがね同意。それにやんちゃババァ(う、これは表現が悪いな。単なる対義語のはずなんだけど)が無いのもねえ。

オチとして。ヤンチャでなくてヤムチャならどうか。


......まぁ、こうなるわな(汗)。

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このページは、不破雷蔵が2014年9月26日 07:12に書いた記事です。

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