「ブラック企業大賞」って大人のいじめの香りがする

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その言葉の定義そのものに色々と疑問符が投げかけられている、そして多分に便利で分かりやすいがゆえに濫用されている感は否めない「ブラック企業」。そのブラック企業の度合いが大きい企業を抽出し、注意喚起的に披露する、さらには企業の自主的な環境改善を促すための催しとして、市民団体やら労組やら労基関連の弁護士によって構成される委員会が抽出し、ネットで投票して結果を決める、「ブラック企業大賞2014」が発表された。関係者などがあちこちにニュースとして投稿しているため、一度ならずとも見聞きした人は多いはず。

主旨は理解できなくもない。でもね......

最終的にはインターネット上の投票で決めるとあるけど、ノミネートの段階では委員会内部での決定に限られるし、そもそも論として「ブラック企業」の定義が明確化されておらず、多分に印象論的なところが強いにも関わらず、このような形で実名をドーンと出して、「こいつら悪だからせせら笑ってバッシングしようぜ」と指定している、ように受け止められても仕方がない形で公開するというのは、果たしてどうなんだろうかなあ、と首を傾げてしまう。これって、悪質系まとめサイトによる晒し行為や、いわゆる「いじめ」とどれほどの違いがあるのかしら。


あるいはイグノーベル賞と同じ感覚でやってるのかもしれないけど、それにしてはセンスが悪すぎる。上にある通り、冗談ってのは、みんなで愉快に笑えることをいうのであって、これはとてもではないけど一方的過ぎて、センスが無さすぎる。それに、いくらでもノミネートの部分でいくらでもコントロールできるってのも怖い。むしろイグノーベルというよりは、グリーンピースが行っている「環境に優しいメーカーランキング」(最下位まで表示していることから、反語的な意味で)と同じ香りがする。

「歯止めなき力は正邪の別なく暴走する」「大義名分を掲げれば何やってもいい」の好例になっている感があると思うのは当方だけかしら。

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このページは、不破雷蔵が2014年9月 8日 07:54に書いた記事です。

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