【更新】朝日新聞の対応は本当の意味での「確信犯」なのかもしれない

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「8.5.事件」、つまり32年後にようやく誤報...というか事実上の捏造報道を認めたにもかかわらず、むしろドヤ顔モードで強硬な姿勢を取り続け、その後も関連情報について検証をせずに主張を続けている朝日新聞。原発事故に絡んだ「吉田調書」のスクープ周りでも、他新聞社との食い違いの甚だしさに色々と物議をかもし、下手をすると新聞業界全体の権威失墜に及ぶ可能性が多分にあるにも関わらず、2つの「吉田」問題、当方ではY2K問題からなぞってY2A問題とか2YA問題と呼んでいるけど、では、非常に強硬な姿勢を取り続けている。

素直に各方面が指摘している点を真摯に検証して事実やら何やらを認めてしまうと、自社の権威などが失墜してしまうのは当然として、関連各方面への責任対応をはじめとして対外・対内対応で事実上新聞社そのものが成り立たなくなる可能性も生じている、それを自認しているからこそ、強硬な対応をしているのかもしれない...と思ったのだけれど。

確信犯(確信犯罪)とは、「自分が行うことは良心に照らし合わせて正しく、周囲(社会)や政府の命令、議会の立法こそが間違っていると信じて」行った犯罪である。本人は自らの正当性を確信していることがポイントであり、立法や命令に違犯(「違反」ではない)しているとの認識を持っているかどうか、あるいは処罰を予想しているかどうかは関係ない。


という「確信犯」の本来の意味を読み返してみると、この意図に基づいての行動ならば、朝日新聞の一連の行動、そして事態が発覚してからの対応の仕方も、何の問題も無く説明できてしまうのよね。従来使われている「確信犯」の意味、つまり「悪いと知っていても、それでもやってしまうネガティブな行動」よりも、こちらの方が行動の説明がし易い。

となれば、よほどの変化が無い限り、朝日新聞サイドは今後も同じ対応を続けることになる。何しろ「自分達が正しい。周囲の指摘は間違いだ」が根本的な軸にあるのだから。となれば、9月に「吉田調書」のマスターが公開されて、あるいは発生しうる「吉田調書」に関する誤報...というよりは捏造問題においても、同様の対応をすることは容易に想像できる。そして「よほどの変化」が起き無い限り、問題は解消されない。

かつての毎日新聞のWaiWai事件のように、「のど元過ぎれば熱さを忘れ」的な解決を期待しているのかもしれないけど、与えた影響があまりにも大きすぎるし、やり方の悪質度は桁違い。時間の経過はむしろ逆効果になる可能性の方が高い気がするな。

「兵糧攻め」が本格化してくれば、あるいは何らかの動きもあるかもしれないけど......まぁ今件に関しては他の新聞社の追及が激しいのも、納得は行く。下手すると大手新聞社すべてに対し、記事への信頼性がごそっと失われかねないわけだからね。しかも追求するべき素材は山ほど揃っているし。

追記:
吉田氏は事故発生4日後の2011年3月15日に、所員が福島第二原発に避難したことを正しい判断だったと証言。東電が「全面撤退」を検討したという事実は強く否定した。政府は9月上旬にも吉田氏の調書を公開する予定だ。


「吉田調書」に関する朝日新聞包囲網に読売新聞も参加。これで大手報道機関において「吉田調書」を取得しているとするところは、朝日・産経・NHK・読売となった(毎日はまだかな?)。同じマスターを取得しているにも関わらず、解釈の範囲を超えた異なる表現が出てしまうってのは、やはりマズイ話だよねえ......。自分の所だけが持っているはずなので、と思ってしまうと、痛い目に合うという、情報を取り扱う事に関する注意点の、良い教訓になるかもしれない。

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このページは、不破雷蔵が2014年8月30日 07:35に書いた記事です。

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