なぜ多摩動物公園のモグラ先輩はガラが悪いのか

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当方もこの画像などが出回ってきた時には「すげーガラ悪いけどちゃんとしたこと言ってるな。なんかそういうキャラ付けなのかな」と、ちょいとした違和感となるほど感を同時に覚え、それなりに印象に残っていた。で、先日、こんな話があり、なぜこんなガラの悪いモグラ先輩が登場しているのかについて、その理由が明らかになった。

しかし「もぐらのいえ」は、中に入った瞬間天井に張り巡らされたモグラの通路が目に飛び込んでくるため、説明ラベルには目を留めにくいようです。ここで生態を長い文章で説明してもきっと誰も読んではくれないでしょう。まず考えたのは文字数を抑え簡潔に伝える手法ですが、その上に何かしら読んでもらうためのインパクトが必要だと考えました。


そこで生まれたのが「モグラ先輩」です。いろいろな人が抱いているモグラに関する疑問をモグラ先輩が明快に答えていくというものです。あえて口の悪いキャラクターにすることで、言いにくいこともはっきりと表現できるようにし、「きっとモグラだったらこう思っているはず」という気持ちを込めてラベルを作ってみました。

口の悪いモグラ先輩はそれなりにインパクトがあったようで、お客さんたちの反応は上々です。笑いながら読んでいるカップルや、読みながら話している親子の姿を時々目にします。Twitterでも一時話題になり、モグラ先輩のラベルを写真に撮っていく人もいました。



つまり、実造形だけに注目してしまい、生態に関する記述に注目が集まらないのはちょっと残念。そこで凝らした工夫の一つが「モグラ先輩」の登場とその口調という次第。なるほど、つまり当方も含め、先の写真を見て感心した人のほとんども、動物園側の考えに乗せられてしまったわけだ(良い意味で)。

こういう視点でのちょっとした努力や工夫ってのは、その内情を知るとさらに奥深さを覚えることができるし、良い気分にさせられる。色々な物事にはそれを懸命に考えた人がバックボーンにいるんだな、ということを再認識させられる。広告手法などの上での勉強にもなる。

この類の話、探せばまだまだたくさんあるんだろうな。そう考えると、この類のラベルについて、今までとは違った注目度で見てしまうから不思議なものだ。

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このページは、不破雷蔵が2014年8月10日 08:28に書いた記事です。

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