「牛すき鍋定食」が決定打になったすき家の問題と、ベンチャー的気質は巨大化した企業には通用しない件について

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ほんまや。ゼンショーの報告書p.37面白いなw > 第三者委員会からの調査報告書受領に関するお知らせ https://t.co/xjpmJk2oep

— まる (@maruru_h) 2014, 8月 3


先日の【すき家の第三者委員会、すき家を「ブラック」認定】でも伝えた、すき家の第三者委員会による業務改善周りの続報、というかレポートを読み直したりあちこちの検証レポートを読んで思ったことを追記的に。

特に上記ツイートで指摘されている部分が特徴的なんだけど、すき家の経営陣って、ベンチャー企業にありがちな新興宗教的猛進(盲信)を社員皆に強要させてたんだな。しかも自分達には得られるであろうその猛進への対価無しに。「自分達は出来たのだから他人もできるはず。出来なければ甘えだ」という、よくある体育会系的な発想を、自分達には掲げられた対価、報酬無しを与えることなく、社員に強要させたわけだ。

幹部たちは口をそろえて「今の社員やバイトと同じ位の労苦を自分達はしてきた」と語るけど、それは将来的に自分達の成功とそれによるリターンという「にんじん」が目の前にぶら下げられているから。ベンチャー企業なら自社株を持っているか会社の中枢にいるので、会社が成功すれば自分の成功も連動する次第。

幹部たちは口をそろえて「今の社員やバイトと同じ位の労苦を自分達はしてきた」と語るけど、それは将来的に自分達の成功とそれによるリターンという「にんじん」が目の前にぶら下げられているから。ベンチャー企業なら自社株を持っているか会社の中枢にいるので、会社が成功すれば自分の成功も連動する次第。

でも「今の」社員やバイトの場合、それを保証されているわけでもないし、裏付けも無い。ここまで大きな企業になると、これからさらに企業が成長しても、自分が得られる恩恵は「現経営陣の昔体験した期待値」と比べればゼロに等しい。これじゃ誰もついてこない。ニンジンすら与えられず、同じように走れと言ってるようなもんだから。しかも始末が悪いことに、報告書を読み解く限り、幹部のほとんどは罪的な意識を持っていない。これが当たり前だという風潮、考えが蔓延している。

...このあたりの発想って、同じ外食業界の某居酒屋チェーン店トップとまったく同じなんだよね。口をそろえて「自分達は苦労した。だから今の社員も同じ位苦労しろ。会社での苦労と成長を分かち合え」というけど、成長によるリターンを保証せずに、同じ苦労を味わえといわれても、誰も首を縦に振らないのは当たり前の話。

今件を単なるブラック企業とは呼ばず、究極の社会主義的構造による企業と指摘する声もあるけど(上のまとめにもあるね)。あながち間違ってはいない。あるいは


という表現ですら、的を射ている感はある。

1000の成功が期待できる話に10人でチャレンジすれば、成功の暁には1人100の成功が得られる。でも仮にそこからさらに1000の成功が期待できたとしても、それを1000人でチャレンジしろといわれたら、成功しても得られるのは1でしかない。しかもそこまで規模が大きくなると、2倍のステップアップなど非常に難しく、さらに最初の10人(今件では経営陣)がその成功の大部分を納めてしまうので、1000人に与えられる成功分は良くて50から100ぐらい。それを1000人でわけるとなると、果たして最初の10人が体験したのと同じ労苦を経験しろといわれて、首を縦に振るかしら。

あれだなあ。雰囲気的は、今の若年層の就労問題にも似ているんだよなあ。シニア層の「俺達と同じ位に努力しろ」という言い回しとか。この辺はもう少し整理してから再度提起した方がいい気がする。

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このページは、不破雷蔵が2014年8月 4日 07:16に書いた記事です。

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