すき家の第三者委員会、すき家を「ブラック」認定

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【「すき家」労働環境改善のための調査報告書受領について】
【「すき家」の労働環境改善に向けた改革実施について】


以前本家で【すき家、鍋定食などによる人手不足を公認、環境改善のため6月をめどに7地域分社化を決定】にて紹介した、すき家の人員不足・過重労働問題。弁護士らによる第三者委員会が設置されて、先日その委員会による調査報告書が提示され、その内容に従いすき家は業務改善の施策を呈することになった。


内容はリリース先で確認してほしいけど、まあ、世間一般で言われている「ブラック企業」云々ってのも、これに関しては認定しても仕方がないんではないかなぁ、というような内容。「会社が短期間で急成長を遂げた成功体験から、幹部の間に過剰労働を容認する文化が根強く、法令を軽視していた」ってのはありがちだけど、かなり問題視しなきゃいけない話。これって「会社全体を成功させるためにはちょっとした無理も仕方がない。成功すれば自分もハッピーになれるから」っていう流れによるものなんだけど、その図式が成り立つのは、「会社が成功すれば『幹部で報奨がガッツリ増える』『自社株で無茶儲ける』から」という前提があってこそなんだよね。つまり構成員のほとんどがその対象となる小規模企業、ベンチャー企業ならともかく、規模が大きくなると普通の社員が圧倒的に多くなるので、その無理は通じなくなる......

......けど、会社のトップたちはそこまで頭が回らず、イケイケドンドンを繰り返してしまうことになる。どこぞの居酒屋チェーン店も似たような状況だけど、結局構図的には同じ。会社の規模が小さい状況の時のルールをそのまま規模が大きくなっても使い続けていることに、ひずみが生じた次第。

会長の「事態を把握しきれていなかった」というのも、信じて良いのか否か、ちょっと判断がつきかねるけど、色々な状況を想定しても、ちょっとアレかなあ、と。

果たして仮に第三者委員会の指摘をすべて受け入れて状況を改善したとして、すき家がこれまで通りの業績を維持できるか否かってのも問題の一つ。そして今回提示されたすき家側の改善策を見るに、「あれ? これでちゃんと指摘された内容は改善できるの?」という疑問があちこちで沸いてくる。しばらくは様子見、かなあ。牛丼御三家が牛丼二強になることは避けてもらいたいものだけど。

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このページは、不破雷蔵が2014年8月 1日 06:37に書いた記事です。

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