「新聞には軽減税率を適用しろ」日本新聞協会が再び要望

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白石会長は意見聴取後、記者団に「新聞は日本人の知識水準の維持や向上、文化の発展、民主主義社会を守る重要な必需品である」と強調。「読者への負担をできるだけ小さくするという観点からお願いしている」と述べた。


消費税周りに関しては事あるごとに雑誌、新聞といった従来型4マスのうち紙媒体の2マスが、このような主張を繰り返している。大体説明内容は同じで「文化を守れ」「民主主義に欠かせない存在」「他国もやっている」この3セット。

以前【消費税の軽減税率導入問題に関する覚書】でも解説したけど、軽減税率の導入は運用コストが増えて混乱が増すので(実導入後の運用コストはもちろんだけど、何を対象とするのか否かの決定・変更で、政策上のリソースが無駄遣いされる)、税収云々という観点ではマイナスにしかならない。

主要国では新聞や雑誌が軽減税率対象になっているという話だけど、全部の国では無いし、対象国・対象内容もまちまち。都合の良い所取りで「海外がやっているから」と主張するのは、例の太陽光発電やBI問題、年金関連の話とまったく同じ切り口だね。そして税制法上の特例措置を受けるとなれば、その特例を受けるための精査のため、色々と腹を探られることになると思うんだけど、そちらの方は大丈夫なのかなあ、という要らぬ心配をしたりする。特に新聞社は、ね。例の「押し紙」問題とか関連会社の話もあるだろうし。

今件発言で気になったのは、「読者への負担をできるだけ小さくするという観点」という言い回し。税率負担は最初から全部読者に被せる気で満々。電力会社の値上げに関しては、あれだけバッシングを繰り返しているのに、ねえ......。

「知識水準の維持や向上」「文化の発展」「民主主義社会を守る」それぞれの大義名分についても、誰からも批判反論を受けないような状況をアピールでき、それを維持できるような仕組みを創り上げて、それを提示した上で無いと、空回りしている気はするのだけどね。そりゃもちろん「うん、その通り」というコーナーや記事もあるけど、そうでない部分も多い。それともそれらの大義名分に該当する部分としない部分を面積比で計算して、案分して軽減税率を換算するとか?(笑) それこそ非合理的だわな。

そしてツイートで指摘されている、新聞の普及率問題。この普及率で「知識水準の維持や向上」「文化の発展」「民主主義社会を守る」を掲げるのなら、むしろ携帯電話やインターネットへの適用が先じゃないの? とか突っ込まれたらどうするのだろう。

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このページは、不破雷蔵が2014年8月 2日 06:53に書いた記事です。

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