アルゼンチン国債、デフォルト間近との報相次ぐ

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【アルゼンチン政府、日本の新聞に悲痛な全面広告 「債務返済を継続させてもらえない」】
【シンガー氏のエリオット:アルゼンチンは債権者との交渉拒否】
【アルゼンチン 国債利払いできない事態に】
【アルゼンチン、デフォルト回避へ交渉 猶予は1カ月】


当方は新聞を取っていないので今件ニュースではじめて知ったのだけど、6月25日付の朝日新聞に一面広告としてアルゼンチンの大統領府による「アルゼンチンは債務返済を継続したいが、継続させてもらえない」との談話が掲載されたのだそうな。「なぜ朝日新聞が」というツッコミも結構見受けられたけど、まぁ掲載料の問題じゃないかな(部数だけなら読売の方が上だし)。

で、現状としては当初の取り決めである期日6月30日において「投資ファンドへの債務を全部返済しないと、債務減額に応じた投資家への利払いはしちゃダメと米連邦最高裁が判決を下した」「でもアルゼンチンはそれを無視して利払いした」「だけど連邦裁判所がノーの判決を下しているのでニューヨークの地方裁判所も認めず、利払い履行はされなかった」という状態。「んじゃもうデフォルトじゃん」と思ったけど、取り決めで利払いには30日の猶予(いわゆるロスタイムみたいなもの)が設けられているので、この一か月の間に「全額速攻で返せ」と主張する投資ファンド側との交渉が行われる次第。

どちらの主張も理解できなくはないんだけどね。全額返還を求める投資ファンドは「当初の約束を守らないアルゼンチンが悪い」「分割・減額での支払いを求めているが、履行されないかもしれない、損をしてしまう」、アルゼンチン側は「減額、分割支払いに応じた貸し手もいるやん」「減額しちゃうけど、ちゃんと少しずつ返す言うてるやん、誠意見せてるやん」「債務不履行状態になったら、あんたらの債務、減額どころか全部吹き飛ぶんやで?」的な。借金取りと借り手との駆け引き、みたいな。アルゼンチンは以前に一度デフォルト起こしてるので、投資ファンド側の懸念も理解できる部分もあるし。

ただねえ。この一連の駆け引きって、ちょいと前にアメリカ国内での債務上限の引き上げで議会と政府が世界全体を巻き込んでやらかした、まさにチキンレース的な香りがして、なんだかいやんな感じなのよね。どこまで本気でやっているんだろう、「どうせ大丈夫さ、相手が妥協してくれるさ」的な楽観的見通しでやりとりしてて、気がついたら双方の足元が......的な感もある。

それと今件でもう一つ覚えておくべきなのは、「国外が購入した国債ってのは、こういう形で支払いを強要され、デフォルトリスクが桁違いに高まる」という事実。国債を買い取っている側はアルゼンチン国内ではないので、こういう融通の利きにくい事態が起きうるわけだ。まぁ債務不履行は極力避けるべしってのは、信用力の点ではどこに貸そうが同じなんだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2014年7月 2日 06:31に書いた記事です。

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