【更新】3次元熱間曲げ焼入れの加工技術完成

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[3次元熱間曲げ焼入れ(3DQ)の量産加工技術が完成]

↑ 3次元熱間曲げ焼入れ(3DQ)量産加工技術
↑ 3次元熱間曲げ焼入れ(3DQ)量産加工技術


当社、住友鋼管株式会社、住友金属プラント株式会社の3社は、自動車軽量化の画期的技術として、3次元熱間曲げ焼入れ(3DQ;3 Dimensional Hot Bending and Quench)を開発してきましたが、このたび量産加工技術が完成いたしました。今年度上期中には世界で初めて3DQ技術で製造した部材を搭載した車が販売される予定です。

3DQ技術は、いろいろな形状の鋼管(丸管、角管、各種異形鋼管等)を、局部的に加熱して曲げ加工し、直後に水で急冷して焼入れをおこなう連続プロセスです。金型を用いずに、複雑な形状の超ハイテン鋼管部材を製造できるという特長があり、鋼管の冷間曲げやハイドロフォームなど、従来加工法では達成できなかった1470MPa以上の強度の鋼管部材の製造を可能にする技術です。今回完成した量産加工技術では、曲げ加工にロボットを用いることで、設備のコンパクト化と低コスト化を図っています。ロボット技術は株式会社安川電機と共同開発しました。

自動車の車体は、鋼板をプレスして作るのが現在の常識です。鋼管のような断面が閉じた部材で車体骨格をつくると、曲げやねじりに対する剛性が上がり、軽量で安全な車体を作れることは従来からわかっていました。ところが、ハイテン鋼管には加工が難しいという問題があります。曲げ加工できる鋼管は最高でも980MPa級にとどまり、しかも複雑な形状に加工することは困難でした。一方、アルミ製の閉じた断面の部材は実用化されていますが、コストが高く、量産車での採用は限定的でした。

3DQ技術は、複雑な形状の超ハイテン鋼管部材を高効率で製造できる画期的な技術で、部材を最大で50%程度軽量化することが可能となり、軽量で、強度が高く、そして安全性の高い車体の低コストでの製造を実現するとともに、自動車の車体の設計思想を大きく変える潜在可能性のある技術です。

当社は、今後、住友鋼管、住友金属プラント、安川電機と共同で、技術のレベルアップを進め、自動車メーカー殿をはじめとしたお客様と連携して、適用拡大を進めてまいります。


さりげなく「部材を最大で50%程度軽量化することが可能」とか、とんでもないこと書いてあるし......もっとも、あくまでも「最大」なんで、常用の場合どれ位とか、「これに使ったら以前のやり方と比べて●%軽量化しました」とかいった、具体的な値が欲しいところだね。試作じゃなくて量産のための技術が完成したというのも素晴らしい。

それにしてもロボット部分は安川電機か......やるもんですな。

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このページは、不破雷蔵が2012年4月25日 06:48に書いた記事です。

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