可能性とリスク、3年前の水力発電所での一例

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【「増加する老朽化ダム」の脅威:検査・改修には巨額が必要(2009年)】

8月17日(現地時間)、ロシアのシベリアにある水力発電ダムで大事故が起きた。多数の死傷者が出ており、6000メガワットの電力供給がストップしている。[事故が起きたのは、1978年に操業開始した同国最大の水力発電所。ダムから発電施設に水を送る管が破裂して大量の水が発電所内に流れ込み、作業員12人死亡、行方不明64人の生存も絶望的と報道されている。修復には4年以上かかるとの指摘もある]


【ロシア、ダムのタービンルーム事故で死者多数(2009年8月)】

日本の新聞にはまだ掲載されていないと思いますが、8月17日ロシアのサヤノシュンスカヤ・ダム(Sayano-Shushenskaya)で事故があり、8名が死亡54名が行方不明という記事が英のNCE誌に54 missing and 8 dead following Russian hydro plant blastとして報じられました。

このサヤノシュンスカヤダムですが、1978年に完成した重力式アーチダムで堤高・242m、貯水容量・313億立方メートルで、wikiでもロシア最大の発電用ダムであり、世界でも第4位の水力発電ダムとなっています。

原因不明としながらも、連邦政府捜査官は修理工事中に送水管が破裂し、タービンが設置されていたエンジン室の壁や天井を破壊し部屋自体も浸水した。浸水の原因は送水管の水圧上昇によるとの発表もあります。ロイターは1本ある送水管のうち2本が破壊されたと伝えていますが、APはこれに加え3本目も大きな被害を受け、残り7本がどのような状態にあるか調査が進められているとあります。ダムのあるハカシア共和国の首都Abakan(人口16万)の住宅の半分が、近隣の都市も停電していおり、事故の影響がどの程度なのかまだ不明だとしています。


先日の【水力発電もオーバーワーク、止められず、点検できず】に絡んで別件で色々と探し物をしていた際に見つけたもの。3年前のロシアでの水力発電所での事故の話。多分に老朽化していたのが原因のようだけど、通常のメンテナンスサイクルでの点検をしなけりゃ、老朽化も加速し、リスクも増大する。そしてこういうことにもなる可能性がある、という一例(もっとも、水力でも火力でも、もっと大規模なトラブルは発生している事例はある。これもまた単なる一例)。

「ありえない?」確かに通常の運用をしていれば、可能性はゼロに限りなく近いところまで持っていける。でもここまでの規模ではないにせよ、昨年夏の暴風雨での東北電力管轄内での水力発電所の大変な状況はすでにお伝えした通りだし、現状が「通常の運用」が出来ていないのも御承知の通り。

「想定していないのが悪い」と怒鳴る一方で、問題事象が起きないようにするための努力や仕組みをキャンセルさせてしまうような、想定していないことを強要させるのは支離滅裂ではないかな、と思う今日この頃。

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このページは、不破雷蔵が2012年4月22日 07:20に書いた記事です。

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