「通常範囲内の調査結果」はやっぱり「通常範囲内」でした。で、「異常事態」のように伝えた方々は...?

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福島県内から長野県に避難した子どもの甲状腺に関連する血液検査で、「変化」がみとめられたとする報道が、一部の報道機関によりされています。毎日新聞(10月4日)には、次のように報道されています(毎日jpより引用)。「長野県松本市のNPO法人「日本チェルノブイリ連帯基金」(鎌田実理事長)と信州大医学部付属病院が、東京電力福島第1原発事故後に県内へ避難した福島県の子どもを検診し、130人中10人で、甲状腺ホルモンが基準値を下回るなど甲状腺機能に変化があったことが4日分かった。健康状態に問題はなく原発事故との関連は不明といい、NPOは「参考データがなく、長期の経過観察が必要だ」と話している。」

日本小児内分泌学会は、小児の甲状腺疾患の専門家が集まる学会として、この状況に対して多くの方々が適切に判断をしていただけるように、私たちが妥当と考える解釈について述べます。当学会では、検査を実施した信州大学医学部小児科から、個人情報を削除した甲状腺に関連する実際のデータを受け取り、検討しました。

検討の結果、今回の検診でえられた「検査値の基準範囲からの逸脱」はいずれもわずかな程度であり、一般的な小児の検査値でもときにみられる範囲のものと判断しました。なお、これらの検査結果を放射線被ばくと結びつけて考慮すべき積極的な理由はないものと考えます

(中略)

なお、放射線被ばくと今回みられた甲状腺関係の検査結果との関連については、それを否定できるほどの根拠はありません。しかし、これまでに知られていることは、被ばく後数か月という短期間に甲状腺疾患が発症するには、相当量の放射性ヨウ素の被ばくがなければ起きないということです。一方、これまで比較的高線量の被ばくの恐れがあるお子さんを対象として行われた被ばく線量測定の中で、ひとりも甲状腺機能に変化を起こすような高線量の被ばくは報告されていません。そうしたことを考え合わせると、今回の場合は、検査値のわずかな逸脱と放射線被ばくとを結びつけて考慮すべき積極的な理由は、ないものと考えます。


先日【通常範囲内の調査結果がモノスゴい異常事態に思えてくる報道記事】でお伝えした件。主要メディアの多くが一斉に騒ぎ立てて色々と(特に子供をお持ちの世帯に)不安がらせたけど、実は6日の時点で福島新聞では上のような記事が出てたとのこと。まぁちゃんと調べて精査した上で書いたんだろうね。当時色々と煽ってた主要紙とは大違い。

で、先日日本小児内分泌学会からの正式な表明として、上のような文面が提示されたと。

ただねぇ。直前の記事にもあげたように、詳しいことは覚えていなくても、あれらの報道を目にした人の多くが不安感をさらに積み重ねたと思うのだよね。で、その「誤認による不安感」を打ち消すには、誤認の何倍もの労力と時間をかけて伝えていかなきゃいけない、それが責務なのに、まったくその積極性が見られないんだよね。それもまた「商売になりにくいから」なんだろうけど。

間違いの一度や二度は誰にもあるけど、それを正す機会もまた誰にでもある。それを成さずに同じことを繰り返したのでは、意図的な、悪意をもったものと認識されても仕方が無い。

だったらさっさと「報道」の腕章、まとめて捨ててしまえばいいのに......。


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このページは、不破雷蔵が2011年10月14日 09:05に書いた記事です。

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