かつてジャーナリストだった者の咆哮...「あのオフレコ発言は正しい」

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先日の復興相の発言やら言論弾圧(もう、こう表現してもいいよネ)姿勢の暴露などは、当方のツイートなり他の人の分析や解説に任せるとして、一件だけ。大臣の、最後にとってつけた「書いたらその社は終わりだから」について、これを正当化し、さらに「(あれを間違っているという指摘は)取材・被取材のイロハすらしらない」とトンチキな発言をしている、元「自称」ジャーナリスト・現「一応」国会議員の方がおられたので、覚え書き。

そもそもオフレコってのは「off the record」の略で、記録を残さないことを意味する。そして記録が残らないのだから、取材先からデスクに戻っても記事にできないわけで、要は「個々の記憶の奥底には残すけど、第三者には公知しない」ことを意味する。

で、これって基本的に取材する側・される側双方が納得招致合意した上で初めて成立するのね。例えば誘拐事件の際の合同記者会見における報道規制とか、犯罪組織などでの内部告発における告発者とのインタビューで、告発者の身元が判明しちゃいかねない部分とか。

今回のように、事前合意も無く、語った方がヘマを暴露されないようにと、慌てて「今の無し」とする、免罪符やオールマイティカードのようなものじゃない。例えるなら将棋やマージャンの「待った」、子供とのトランプで「僕が勝つまでやるの」とだだをこねられるとか、じゃんけんで負けた側が「じゃあ三回勝負ということにしよう」と言い出すとか、そんな感じ。

これを「イロハ」と断じるのなら、かの人は本当「報道のイロハ」を知らない、忘れたことになる。......あるいは元から「政府閣僚が脅すことをオフレコという」と考えているのかしら。

それと、本来ならこっちで有田氏が血管ブチ切れて糾弾すべきなんだけど、復興相の発言は明確な、報道に対する恫喝なんだよね。「自分に都合の悪い事を報じたら、会社そのものを潰してやるぞ」と明言している。一万五千歩譲って、お酒の場で、身内だけの会合ならともかく、第三者が山ほどいる中で、自分の現職の立ち位置を明示した場面で、さらりと語るあたり、冗談でも何でもなかったことは明らか。一議員じゃなくて大臣だから、尚更だよね。......まぁ、この点について明確な態度を示さずに、オフレコ云々で勘違い的な話をしているあたり、もうこの人は、かつての(もとからかもしれないけど)ジャーナリストとしての心を失ってしまったって感じかな。

最後に。これについて「自分はB型だから云々」と、かの大臣は弁明したそうだけど、これはこれでまた問題。血液型でヘマを言い訳なんてしたら、普通の会社じゃその場で懲戒解雇されても文句はいえませんぜ?

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このページは、不破雷蔵が2011年7月 5日 08:19に書いた記事です。

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