デジタルだって書き手さんの労苦は同じですよネ?

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【言論サイト「WEBRONZA」、オープン日に執筆者の1人が原稿料を暴露し撤退宣言】

佐々木俊尚氏
↑ 佐々木俊尚氏の発言

朝日新聞が2010年6月24日に開設した言論・解説サイト【「WEBRONZA」】。この有料部分の【「WEBRONZA+」】で執筆する一人、ITジャーナリストの【佐々木俊尚氏】が、朝日新聞側の執筆者に対する姿勢に「どうよ?」と疑問を呈し、原稿料の設定などを暴露した上で寄稿を見合わせることを宣言した(【このあたりから】)。

詳しくは元記事にある通りで、そちらを読んでほしい。個人的には「すでに有料メルマガと講演と書籍の印税で十分食えているので」という部分に「ウラヤマシイなぁ」と素朴に思った……のはともかく、ちゃんと「原稿料」や「付加価値」(今件なら媒体力・パブリシティ効果)を考えて、自分の原稿・生成物を秤にかけ、「これで良いのかな、安売りしてないかな、舐められてないかな」と考えているあたり、改めて感心させられた次第。

それと共に、「やっぱり新聞とかの旧媒体の人たち(の少なからず)は、インターネット上のコンテンツ生成を気軽なもの、安上がりなもの、色々な意味でおチープなものと考えてるのかな」という認識も頭に浮かんできた。これが仮に、佐々木氏に対し、朝日新聞本紙のコラムや、関連会社の雑誌に同じような分量の原稿を書いてもらうとしたら、やはり同じような原稿料を設定するのだろうかな。

それともあれかな。パソコンなどでタイプした原稿・記事ってのは、AIか何かで組まれた文章と同じくらいの対価しかないと考えているかしらね。キーボードでタイピングするのはペンで書くよりは楽だし、コピーや保存、巻き戻しもできるという「ツール」の面では確かに時間は短縮できるし手間も少なくて済むけど、結局文章を創造する部分では苦労もかかる時間も同じですよ?

あと一つ。当方もライターをやってた時に何度となく思っていたのだけど、書き手にとって「原稿料」や「付加価値」ってのは、相手が自分をどのように評価してくれるのか、それを指し示す物差しの一つなのね。「現金な」と評する人もいるだろうけど、やはり物理的な数字の物差しって大切よ、ホント。佐々木氏もやはり、このあたり……つまり「自分はWEBRONZAの媒体力に加えて、この原稿料くらいにしか評価されてないのかな」と思って、今回の判断を下したのかな、とも考えたりする。

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このページは、不破雷蔵が2010年7月 1日 12:15に書いた記事です。

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