「コンビニのおにぎりが小型化してる、ステルス値上げだ、許すまじ」と言う話

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原材料価格の高騰などから、販売価格据え置きのまま飲料の容量が減ったり、菓子が小さくなったりして、「実質的な値上げではないか?」との声がしばしば聞かれる。消費者の目はシビアで、最近ではコンビニで売られているサンドイッチの具の量にも注目が集まった。そうした中で、SNS上ではコンビニの定番商品であるおにぎりも、サイズが小さくなっているのではないかという疑念の声が散見される

例のステルス値上げガーの話。おにぎりの場合は変えてないとか消費者の需要に応えてとか、逆に具材やら品質はアップしているということだけど。以前から何度となく繰り返し解説している通り、この類の話は往々にして勘違いだったりコストのアップが考慮外だったり、需要に応えたものだったり、重量や個数といった数字化が容易な部分だけに焦点が当てられて品質とか流通性とかには目が向けられていないなどが多分な理由。仮に本当に、暴利をむさぼるため...というか利益率の向上の目的のためだけにそういうことを繰り返しているのなら、その時初めてガーガー騒いでツッコミを入れればよい。何か中世や近世の民衆の暴動と同レベルで物事を考えているふしがあって、頭が痛い。

この類の話でよく出てくる「(荒稼ぎするための)ステルス値上げ」ですが、間違った認識です。サイズの縮小・減量の最大の理由は一つは小世帯人数化・高齢化に伴う購入単位での消費量の減少。例えば国民生活基礎調査によれば平均世帯人数は1990年では3.05人が2019年には2.39人に減少。また核家族や単身世帯も増加し、単身世帯は1990年には845万世帯でしたが2019年には1491万世帯にまで増加。高齢化、そして食の多様化により幕の内弁当のように、好きなものを少しずつとの消費スタイルが浸透していることも拍車をかけています。


原材料や工賃の値上げに伴うコストのアップへの対応も一因。単純な値上げでは批判や客離れが大きくなります。結果として商品単価は極力そのままにし、縮小・減量した方がよいと判断されてしまうわけです。要は「値上げをするな、したらもう買わないぞ」との客の声に応えたことに他なりません。


限られた文字数の中でもりもり解説はしたけどね。この類の話ってのは概してウケが悪いんだよな。一緒に煽動にのってガーガー言った方が大いに受けて評価される。世知辛い世の中ではある。

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このページは、不破雷蔵が2020年10月26日 07:21に書いた記事です。

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