国連人口統計の2019年版と「潜在扶養率」という概念

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国連経済社会局は17日、65歳以上の人口に対する25~64歳の人口の比率を示す「潜在扶養率」が、2019年には日本が世界最低の1.8を記録したとの統計を発表した。少子高齢化の影響で、年金加入者である生産年齢層の負担が増している現状が浮き彫りになった。

国連の世界人口の推計データとなるWorld Population Prospectsが先日更新されたようで、いくつきニュースとして配信されていた。当方の本家サイトでもこのデータを基にした検証記事がいくつかあるので、順をおってになるけど再分析をしていかないと。

今件では「潜在扶養率」なる聞きなれない言葉が乱舞している。65歳以上の人口に対する25~64歳の人口の比率という定義があるけど、国内の関連報告書とか国連の以前のレポートでは、15~64歳で65歳以上を支えるって話じゃなかったっけか。何か定義が新しくなったのかな。で、その値を計算すると日本がダントツだそうな。元々15~64歳の計算でもそうなっていたからあまり驚きでは無いのだけど。

一次資料は World Population Prospects, the 2019 Revision(世界人口の見通し、2019年改訂版) population.un.org/wpp/ 。記事中には「日本以外は概数のみ公表、他国については詳細値を明らかにしていない」とありますが、データベースからは2020年時点の推測値としての潜在扶養率を算出できる値(年齢階層別人口)が抽出でき、計算で値を導き出すことは可能です。


試算では2020年時点では日本は1.76、米国は3.12、韓国は3.84、中国は4.89、世界全体平均は5.32。

日本では高齢社会白書による「何人の働き手が1人の高齢者を支える社会となるのか」の値が知られていますが、こちらは65歳以上を15~64歳で支えた場合の想定ですので、前提そのものが違うため単純比較はできないものの、2017年時点では2.2人となっています。


で、元記事が指している報告書は見つからないし、似たようなリリースはあったけど書かれている内容が何か微妙に違うしで、大元のデータを引っ張り出してきて概算した次第。この類の話は報道でも結構雑でデタラメなことをやらかすからねえ。

「潜在扶養率」についても時間があれば新たに記事を書き起こしてもいいかな、とは思っているけど、結構難しいかも。技術的なハードルはともかく、時間が、ね。

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このページは、不破雷蔵が2019年6月19日 07:27に書いた記事です。

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