デタラメやトンデモは何度でもリサイクルされる

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一度修正を行えばそれ以降はその修正が適用されたまま物事が進んでいく。プログラムではそれで間違い無いのだけど(時として修正前の部分がそのまま差し替えられて、問題が巻き戻されることがあるけどね)、世の中は上手くいかない。デタラメやトンデモはある意味願望の仮想現実的な部分、あったらいいなという世界の具象化を後押しする理論であり、隙あらば何度でもよみがえり、人の闇をえぐり取って表にさらしてくる。

何の苦労もせずに痩せられるダイエットの話が永久に繰り返されているのが好例。そういうものができればいいよね、という人の欲望が、デタラメやトンデモを生み出し、再生させる。欲望には単純な願望以外に、悪意、作為もあるので、反社的なものや偏向的なデタラメもまた生み出されることになる。オオカミ少年はオオカミが来るか来ないかなんて自称そのものにさほど大きな興味は無く、オオカミが来たぞと騒いで自分が注目を集めたり、人が慌てふためく様子を見れればそれで満足なのである。

そしてデタラメやトンデモを信じる人はその話を教典扱いし、過去の事象など気にも留めない。そしてデタラメやトンデモを語る側は多分にそういう行動性向を認識しているし、そのパターンで行動する人をターゲットにしている。カモになりやすい人にエサをまいているという図式ではある。

昨年秋口の、NHKの番組のキャプチャを用いた「中央値」の話が再び持ち出され、改めてこの話を思い返した。あの時にフルスロットルで突っ込まれたはずなのに、何もなかったかのように復活している。


書籍とかテレビとか新聞とかに書いてあるから、識者が語っているから正しいはずだ、そういう権威あるものが嘘をつくはずはない。肩書主義とか勲章効果とか名付ければいいのだろうか。権威を信じた方が楽ではあるし、物事を考えずに済むし、そもそも権威とは確からしさの証であるはずだという前提を鵜呑みにしてしまっている。シナリオを作る方もその方が楽だからね。

そしてそういうデタラメやらトンデモやらを頒布する方は益があるからやってるわけだけど、それを打ち消す側は何の益も無かったり、むしろ害を受けているのを回復するために行動しているにすぎなかったりする。加害側がプラスとなっているのに、それを回復する被害側はリソースの浪費をさせられるだけだったり、ダメージを復旧する必要が生じている次第。要は放火魔は火をつけて楽しみを覚えるけど、家の持ち主は多くのものが失われて修復を余儀なくされるけど、戻したところで益は無い。

被害を受けたら与えた側に相応の賠償要求が容易にできるようになれば、この辺りの不公平感と、それに伴うデタラメやトンデモの拡散は、ある程度抑えられるようになるのだろうか。

例えば警察とか消防のように、直接益は無いけど社会的に必要な行為に対しては、公的な支えでまかなうという手法があるのだけどね......。

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このページは、不破雷蔵が2019年2月 2日 07:46に書いた記事です。

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