「ルールを作ったものが勝者となる」と出版業界と

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昔からこの類の話は少なからずあった気もするけど、昨今では直接ネットに投稿されたり、一般紙の記事が容易にネット上にも掲載されてその内容にツッコミが入るというパターンが増え、意外に結構あったんだなあという認識が高まっているのかもしれない、ビジネスマナーの話。

中には本当に基本的で知っておいた方が良いというものもあるけど、少なからずはそんなの知らないとか、その筋の専門家に聞くと「聞いたことが無い」というツッコミを受けるとか、原則に従えばそんなのは無視してよいとか、ケースバイケースだからテンプレートかすることなどないと門前払いを食らうようなものが。

何でこんなことをするのだろうかと考えてみると、やはりそういうことをして儲かる筋があるからなんだろうなぁ、というのが容易に達する結論。それをルール化している筋が、そのルールを広めて「信者」を増やすための教典代わりにしてるとか、知らない人が多ければ多いほど「そんなルールがあったのか」と不安になる人も多いため、煽ることで大きな売上を期待できるとか、いわゆる不安ビジネスというもの。

それこそ「パスタは本当は鼻からすすって食べるモノなんだ、これが一番礼儀作法としては正しいんだ。だからイタリアの人は鼻の通りが良いので鼻炎の人が少ないんだ」というデタラメなマナーを呈しても、それっぽい話をいくつか挙げれば、信じ込んでしまう人がいるかもしれない。週刊誌の巻末にある、インチキな幸運アイテムの類が良い例かな。

この類の本で、正しいものと正しく無いものを見極めるのは結構難しい。よほど常識外れのもので無ければ、それっぽいことが書かれているし、それらしい肩書を持つ人が説明しているし、自分が知らないものでも「今まで自分が間違っていただけなんだ」と誤解してしまうから。先の鼻からパスタの件だって、自分の中の常識とは違うと気が付いた時に、鼻パスタが本当のルールだとは言えないという確証がどこにあるというのか。だって、活字として掲載されているし、何だか有名な人が言及しているし、的な。

ただこの類の虚ルールは、当人たちは単なる銭稼ぎとしてしか考えていないけど、下手をすると一定数の人に本当の話だと認識され、ルール化されてしまう可能性がある。そしてその類は往々にして、社会全体の足を引っ張る、リソースを浪費するものだったりする。

「あんなネタ的なモノは放置してよい」では無く、積極的に叩いてつぶしていかないと、結局自分自身も割りを食うことになってしまう。面倒くさいし、手間もかかるし、無駄働きになるのは分かっているのだけどね。理不尽な話には違いない。

...なんか昔のどこかの本で読んだ「ルールを作ったものが勝ち」って話と似てるんだよなあ、そのルールが正しいか否かは知ったこっちゃない、そのルールの上にのってあぐらをかけるようになるのが勝利の方程式、みたいな。

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このページは、不破雷蔵が2018年8月17日 07:30に書いた記事です。

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