ロスジェネと高齢者と

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デフレ不況で安定した就業の機会を得られずに経験や就労収入、蓄財の蓄積もままならないまま働き盛りの期間を過ごさざるを得なかった人の割合がかなり高いものとなったロスジェネ(ロストジェネレーション)。年間収入とか正規就労者比率でも明らかにその層が凹んでいるのが確認できるのを見るに、デフレが社会に与える影響の大きさと、それを理由にリストラと称してむやみに人材を切り捨てていた経営判断の善し悪しを考えさせられる。

で、当然景況感の向きが変わってくると、その凹みが問題視されるようになっているわけだけど、その人材不足を引退階層の高齢層に求めるってのは、確かに理不尽ではある。

以前も言及したけど、仮に高齢層に鞭を打たせて働かせたとしても、年齢のことを考えれば数年程度しか期待ができないし、老化に伴い基本的な能力は絶望的に低下していくのは自然の摂理。働かせるどころかサポートをするために余計なリソースさえ必要となる可能性も否定できない。

シニア世代が抱えている蓄財を吐き出させるために就労訓練をさせるという発想は悪くないけど、単に労働リソースを求めるのなら、優先順位としてはまず最初にロスジェネへの投資が優先されるべきじゃないのかな。職場は介護施設じゃないんだから、というツッコミすら生じかねない。そりゃ引退した層にも経験や知識で役立つ人も少なく無いけどね(ただしその経験や知識も、下手するとアップグレードしていない旧型のOS的なものとなりかねないので注意は必要になるんだけどさ)。

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このページは、不破雷蔵が2017年12月16日 06:50に書いた記事です。

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