報道記事で「●×も」な表現が出たら要注意

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以前からぼんやりと思ってはいたことなのだけど、別件でドンピシャリな事例があり、文字として起こしてみたら「ああ、まさにこれだよ」と自分自身で思いっきり納得できるものだったので、覚え書きとして。

政治経済社会文化周りの報道記事でよく見られる表現として。主要な内容を棚に上げるような感じで「●×も」という伝え方をするものがある。メインの状況、主張以外にこのような話もあるよということで、一見何の不思議もないように思えるのだけど、一歩引いて読み直してみると、その少数意見、ごく些細な話がメインであるかのような、あるいは対抗馬的な領域にあるようなイメージを抱いてしまう。

たとえば「カレーライスが主流だが、ラーメンをとった人もいた」とすると、ラーメンが小さからぬ意見、対抗馬的な、カレー6に対してラーメン4ぐらいのように思えてしまう。しかし実のところ、ラーメンは数%しかなかったり、他にもっと多い少数派、ぎょうざやチャーハンなどが居るにも関わらずラーメンにスポットライトをあてられていたとしたら。実態とは異なる印象を覚えさせられたことになる。

少数派の意見は多種多様に及ぶもの。何らかの調査結果でも選択肢がずらりと並んでその中から選ばせた場合、少数意見の選択肢は多数存在する。その中からあえて主文、さらには題名中で「~も」として特定単数をとりあげる理由は何だろうか。あたかもメインとなるような存在に張り合っているような、むしろそれの方が正当にすら思える書き方をするのはなぜだろうか。そこまで考えると、書き手の意図が読めてくる。

「●×も」という表記がされたら、多かれ少なかれ書き手の意志として、「●×は正論」「●×を勧めたい」が込められている可能性が高いと見た方がよい。そのようにして考えると、色々と分かってくることもある。

論説文ならともかく事実報道で「●×も」と特定少数のみをとりあげる必要があるのなら、その理由も合わせて説明するべきではあるし、そもそも少数の話にスポットライトを当てて解説するほど、文章量や作成時間に余裕はあるのかな、と。

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このページは、不破雷蔵が2017年9月23日 07:42に書いた記事です。

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