DeNAの盗用問題は「相手に迷惑をかけたので悪いと思う」ではなく「モノを盗んで対価を払っていないので悪い」なのだけど

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例のDeNAにおけるWelqの報告書。ウェブ系のビジネスにおける物差しをどこに置くべきか、物差しの置き方を間違えると、賢い人が権限を持たない限り組織は容易に暴走するとか、具体的なウェブサービスの運用スタイルとか、色々と勉強になる資料には違いない。分析をがっつりと行えば、教本の一冊や二冊は作れるだろう。

で、その報告書をざっと読んだり、色々と伝えられている話を見聞きしていてなんだかもやもやしていたのだけど、この指摘でそのもやり感が一部晴れた気がする。政治家や企業の上層部の責任を取って辞任云々って時の説明で時折見受けられる、「迷惑をかけたので」という解釈。これ、見方を変えると指摘されている問題を認識・承服したわけではないけど、騒がせたことは悪いと思ったから責任を取るねって意味なんだよね。見方を変えると、問題そのものを悪いとは考えていない、認めていないってことになる。

今件はモノスゴイ雑な例えをすると、食い逃げの常習犯が捕まって証拠を提示された際に、「ごめんなさいね、てへぺろー」と頭を下げ、賠償金を支払わないようなもの。あるいは宝石店から宝石を盗んだ人が捕まって、謝罪はしたけど宝石を返さず、被害の回復もしないようなもの。結局盗み得ってことになるんだよね。

本来なら盗用したコンテンツを特定した上で、Welqなどの事業で生じた売上を按分し、元のコンテンツ保有者に還元するところまでやらなきゃならない。難しいけど、それをしなければ、盗み得といわれても仕方が無い。「自分達だって損をしたから」という言い訳は通用しない。


物理的盗用の場合は盗取されたものが実在する物品なので、しかも盗用に大きな意図が関与するから、色々とツッコミが入るし法的なチェックもしやすい(万引きが軽視されやすいのもこれが要因の一つ)。しかしながら対象がデジタルとなると盗用はしやすく、さらには意図も最小限になる。その上、盗用されても物理的物品では無いので、盗用された元も残っているので罪の意識は軽くなる(権利や利益は盗取されているのだけどね)。

また同時に指摘の主旨にもある通り、リスクを考慮する体制に無いからというのもあるのだろうな。そこまで気が回らない、法務関係や社会通念を精査する体制がつくられていない、あるいは正しく機能していない。あったとしてもウェイトが軽く、目の前の利益の方に天秤が下がってしまうというところなのだろうな。

            

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このページは、不破雷蔵が2017年3月19日 08:09に書いた記事です。

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