一発で分かる生存バイアスの具体例

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少々前にクマと戦って生き残る事が出来た人の話がちょっとした話題に登り、その真偽性もあわせ色々と物議をかもしたことはまだ記憶に新しい。同時に挙がってきた疑問の一つに「勝った人の話は時折見かけるけど、負けた人の話って聞かないよね」というもの。その答えがこれで、要はクマと戦って負けた場合、その人は食べられてしまった次第。金太郎のお話での相撲大会じゃないんだから、ということ。証言するべき人は、すでにあの世に行ってしまっている。そういや前後して、クマに襲われて亡くなった人の話が......ということで理解はできるはず。

いくつかの条件分岐に際して、片方のみの意見しか聴取が不可能な状況において、その意見の集約で全体を想起してしまうことの問題。これが生存バイアス。脱落してしまったケースを想定せずに考察すると、全体像を推し量るのにはおかしな結果が導かれてしまう。

昨今問題視されている件でみれば、麻疹(はしか)。感染拡大の状況に際し、特に歳を召した方に「昔は麻疹など怖く無かった。自分もかかった経験はあるけどぴんぴんしている。自分の友達や家族もそうだ」と主張してせせ笑う筋もあるけれど、そう語れない人の大部分は麻疹に感染した際に亡くなっている。実際、自分の身近な人が麻疹で亡くなっていれば、そんなことは言えないはずで、同席していれば多分にツッコミが入っている。

ビジネス的に成功した人が、自分は成功したのだから他の人(特に部下)も成功するはずだと半ば以上に強要したり、出来ないとののしるってのも、実のところはこれと同じ。宝くじの購入もそうかな。3億円当たった人が他人に「買えば自分のように当たるはず」とドヤ顔する感じ(そりゃ確かに「蒔かぬ種は生えぬ」ではあるけれど、買った人すべてが同様に当たると思われたらたまったものでは無い)。

まぁ、「死人に口なし」とはよくぞ言ったものではある。

            

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このページは、不破雷蔵が2016年9月 9日 07:43に書いた記事です。

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