休日中の社内メールは自動削除、「平日に送り直してね」との返信機能

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土日も仕事のメールをやりとりするため、気持ちが休まらず、ストレスをためている会社員が少なくない。きっちり休みをとらせるために、勤務時間外のメールの自粛を呼びかける企業が出てきた。無駄なメールを廃して業務を効率化するのも狙い。海外でも同様の動きがあり、「つながらない権利」として話題を呼んでいる。

電子メールやソーシャルメディアでのダイレクトメール機能など、デジタルによる意思疎通は距離感を覚えさせずに相手へのアプローチを可能とした。ただ、これって便利には違いないのだけど、同時に「相手は24時間365日スタンバッていて、すぐに返事をしてくれないと無視しているに違いない」との誤解を生むことになった。直接思うだけでなく、深層心理的にも。

要は、目の前に相手がいるのと誤認してしまうのだな。その状態でこちらの問いかけにすぐに反応してくれなければ、なにこいつ俺のこと無視してやがると思うのは仕方がない。それがデジタルによる意志疎通で、相手の状況がどうであろうとも同じような錯覚を得ることになった次第。

また、気軽に連絡ができることを利用......というか悪用だな、し、本来は休みであり、就業にはノータッチであるような時間においても、やりとりを強要させられるケースが日常茶飯事的になっているとの指摘。これは否定が出来ない。金曜の夜に自宅に戻ってみたらメールが届いていて、「これ、月曜の朝一までに頼むよ」とかいう内容だったりすると、相手にそのままギガバイト単位のスパムメールを送りつけて差し上げようかという衝動が沸いてくる。そしてこのような場合、休みは休みとして計上されたままなのに、実質的に仕事をさせられているのと同じになる。

ならばシステム的に、対象者が休みの場合は受信メールの自動削除と平日に再送信してくれとのお返事の自動送付的なシステムで、ばっさりと切り分けてしまうのも良い。まあ、仕事のメールアドレスとプライベートのアドレスはきっちりと分けておかないと、予約していた本の到着メールまでばっさり切られてしまいかねないけど。


考えてみたら、就業時間中以外における就業関係のメールのやり取りってのも、結局サービス残業と同じじゃないのかなという感じはする。メールの内容確認と返事の作成と送信も、立派な業務に違いなく。そりゃ役員とかなら話は別かもしれないけどね。

この類の休日におけるやりとりも問題のあるサービス残業として認定され、しかも直接のやり取り時間だけでなく、着信するであろうことを予想しての状態維持だから、一日が準待機状態となるので労働時間と同じと認識し、その分も労働対価を支払うようにとすれば、企業なども休みの日に就業関連の連絡をしてこなくなるのだろうか。

ちょっと考えてみれば分かるのだけど、休みの日にメールで「これ休み中にやっといて」「明日の朝一まで」ってのは、直接電話をかけてきて依頼するのと同じだからね。アプローチの方法が手軽になったとしても、やっていることは変わらない。

この辺りの機能、具体的には特定アカウントにおいて設定した日・時間帯に着信したメールは、有無を言わさず削除して、送信側に「●×に改めてお送りください」の返信メールを出す機能を実装したメーラーを作ったら、需要はあるのかな。

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このページは、不破雷蔵が2016年9月 8日 07:45に書いた記事です。

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