「怒らせれば本音を語るヨ」あれこれ

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報道界隈のメソッドとしてドヤ顔して語られる、これが報道たるものだ的な形で述べられることが多い、そして先日から色々と考えながら書き連ねている、「相手を怒らせれば本音が出て来るから、怒らせるのも報道記者の役割であり手段の一つ」という、報道の常識的なものに関するお話。

「殴れば相手は言うことを聞いて考えを改める」と語る人に、「貴方を殴れば私の言うことを聞いて、『殴れば言うことを聞く』という考えを改めてくれますか」という禅問答的な話を返すってのはよく聞くネタではあるけれど。それと同じように、記者側が怒られたら同じように本音を語るのだろうか。興味はある。


これは石破氏に限らず、結構言われている返し方。「理解を違えていると申し訳ないので」などとの説明を加えて、相手の質問を言い直し、その上で「この解釈で間違いありませんか」と聞くと、なおさら良い。一対一ならともかく、多数で質問をしてくる場合には、この返し方をすると、周囲がハッと気が付くはず。この質問者は馬鹿だ、と。また、議事録に残る場合、どちらが賢明かもわかる(記事の際には編集されるので、その辺りは色々と細工されるだろうけど)。


そして「怒ると本音を出す」って一連の流れで首を傾げた部分の一つがこれ。怒った際に出た言葉が、どうして「本音」と断定できるのだろう。そもそも「本音」って何だろう。本人の口から出れば、元々発する意思が、つもりがなかった言葉でも「本音」というのであれば、寝言も本音になってしまう。それこそまさに「寝言は寝て言え」でしかない。さらにいえば「本音」は一つでは無い。怒りの感情と共に出てきた言葉は、本心の一つかもしれないけれど、それが思っていることのすべてではない。それを「唯一の本音である」と断じられて不特定多数に公知されることが、どれほど理不尽な話なのか。

以前も言及したけど「怒って口に出た言葉」が「本音」なら、「相手を脅迫して出てきた言葉」も本音になる。それは許されることなのか。口にしたくない言葉を語らせられ、それを本心として伝えられることが、どれほど理不尽な話なのか、理解しているのだろうか。

報道界隈の「本音」って、要は読者にウケがよさそうな、注目を集められそうなリアクションに過ぎないのではないかな。

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このページは、不破雷蔵が2016年8月15日 07:11に書いた記事です。

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