センテンススプリングの攻勢結果と「おそ松さん」特需と

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先日から本家サイトで分析展開している、印刷証明部数関連の最新データ2016年1~3月分を元にした各雑誌の動向記事。まだ終えてはいないのだけど、特に気になった動きをいくつか、改めてというか覚え書きとして。

まずはセンテンススプリングこと週刊文春。色々と大義名分やら何やらが後付として出ているけれど、結局のところ部数減退に危機感を覚えた文春による、決戦兵器の出動的な感は強い。色々とかなぐり捨てて高いチップを払い、得られた成果はどれほどか、前々から具体的数字の発表を待ち望んでいたのだけど。

結果としては前年同期比でマイナス3.7%。前四半期比でもマイナス1.3%。元々この界隈は部数減退傾向にあるので、これでも健闘した方......といいたいところではあるのだけど、前年同期比でも前期比でも、プラスを計上した雑誌は結構ある。それともあの記事攻勢で底上げして、この下げ幅に留めることができたという解釈をすれば良いのかな。

多量に投入されたであろうリソースに、この結果。昔ならともかく現在では、スクープ性の高い記事が即時部数上昇に結び付くわけではないのだなあ、という実感。情報の波及がネットなどの二次的方面で多分になされるので、一次情報を直接チェックするってところまでいかないのだろうね。名は売れる、でも雑誌そのものは売れない。


他方、今四半期ではゲーム・エンタメ系を中心に「おそ松さん」特需が吹き荒れた。特にPASH!やアニメディア、アニメージュなどは重版絡みも合わせ、グラフの形がおかしなものになってしまうほど。本来ならターゲット層がどストライクの女性向けコミック誌でも多分に恩恵を受けてよいはずなのだけど、切りこみ方が難しく、オリジナル展開の漫画を連載しているYOUだけが特需状態。これはもう少し発想の仕方を考えた方がよいのかも、とは思うのだけどね。

ともあれ、「人の不幸は蜜の味」には違いないけれど、それは同時に毒性が強いものでもある。それよりは皆が笑顔を作れる、楽しい話の方が、雑誌の売上が伸びる要素としては健全に違いない。

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このページは、不破雷蔵が2016年5月29日 07:20に書いた記事です。

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