コンビニ受診への対処法に上乗せ療養費の徴収との話

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ちょっとした風邪や擦(す)り傷などで、休日や夜間に救急外来を利用する「コンビニ受診」。緊急性がないにもかかわらず、「待ち時間が短い」「日中は仕事がある」などの理由で気軽に受診するため、重症患者への対応が困難になるケースが全国的に問題となっている。日赤和歌山医療センター(和歌山市)は4月から、夜間・休日に受診した軽症患者に対して「時間外選定療養費」として、5400円を徴収することを決定。同センターは「高度救命救急センターとして、本来の業務である重症者の治療に力を入れたい」としている。

「コンビニ受診」なる言葉はあまり耳にしたことが無いかもしれないけれど、そのイメージ通り、病院をコンビニ感覚で利用するというところ。ちょっと前ならカウチポテト感覚になるのかな。通院診察の必要性が極めて低い、あるいは無いような状況に対し、または普通の通院では得られない特典(すぐに診察してもらえる、時間の制限が無い)を求めて、利用する人が増えているとの話。

これ、先日も取り上げた救急搬送と同じ問題なんだよね。必要な人のために用意されているリソースを、便利だからと本来必要のない人も使い始めると、使われるべき人にまでリソースが回らなくなる。余力がある状況でならそれでもいいけれど、無条件で特典が得られるのなら我も我もと容易に使うようになるのでパンクしてしまう。グレーゾーンを悪用すると本来の主旨から外れた状況となり、しっかりとした仕切り分けをしなきゃならなくなる一例でもある。

考え直してみれば「コンビニ受診」に対してはこのような形で上乗せ療養費の徴収が容易にできるのだから、救急搬送にも同じ仕組みをすぐに導入しても良いのではないかな、という気はする。利用そのものの門戸は相変わらず開かれていることに変わりはない、リソースが不足しており本来使われるべき対象に充てられないリスクが生じているのも同じ。


医療機関従事者に限った話では無く、インフラ周り、社会事業関連の、いわば公的な事業に関しては、ブラック企業に向けたバッシングの類はあまり聞かないのだよね。なんでだろう。震災後の電力会社叩きで良く見かけた話ではあるのだけど。

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このページは、不破雷蔵が2016年3月27日 07:03に書いた記事です。

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