人口動態統計の年間推計の速報値で「赤ちゃん増加」「雇用情勢の改善の影響」などと報じられた件について

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2015年に生まれた日本人の赤ちゃんは100万8000人で、5年ぶりに増加したことが、厚生労働省が1日付でまとめた人口動態統計の年間推計で分かった。30代女性の出産が目立ち、全体の出生数を押し上げたという。同省は「雇用情勢の改善などが影響した可能性がある」と分析している。

毎年元旦に発表される人口動態統計の年次速報値。確定値は9月の発表となるので大よその関連記事は9月の更新となるけれど、一部はこの速報値などを用いる形で前倒しにてアップデート予定。

で、今件報道で新生児の数が増えた、その理由は30代以上の出産が多いので雇用情勢の改善が原因かも、としている。雇用情勢がプラスの方向にあるのは事実だけれど、30代女性の出産数の増加はそれが主要因では無い感は否めない。

高齢出産の傾向は記事指摘の通り雇用情勢の改善も一因ですが、他に婚姻年齢の高齢化、医学の進歩、女性の社会進出など複数要因によるものです。日本では1980年代から出産母体年齢の高齢化が進んでいます。2003年には母親の年齢が20代までの出産数が半数を切り、それ以降も母体の高齢化は継続中です。また高齢出産化は米国でもここ数年確認され、2014年の合計特殊出生率が前年比でプラスに転じたのも、高齢出産が増加した事によるものでした。


死因のトップは悪性新生物ですが、これは1980年代から継続してのもので、がんが悪性化したからではなく、他の病症による死亡事例が減り、相対的に治療技術が進んでいないがんによる死亡が増えているからです。同様の理由で(老衰とも重なりますが)肺炎や心疾患が死因として増えているのも、他の病症では治癒する場合が増えているからです。お間違え無きように。


......とは記事コメントでの解説文。新生児の増加はむしろ一時的なもので、根本的な状況改善の結果として出たものではなく、むしろイレギュラーな感は強い。まだ速報値だしね。

加えて。がんを死因とする死者がトップとあるけど、こちらも説明の通り、他の病症の治療技術が進んでいるのが最大の要因。他の病理で命が絶たれることがなくなり、生き延びれば、当然その病理以外での死亡リスクは上がる。その対象ががんだったという次第。がんに関する技術がもっと進めば、例えば錠剤を飲むだけでほぼ治癒できるがんの特効薬的なものが登場すれば、話は別なんだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2016年1月 2日 06:55に書いた記事です。

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