行政で柔軟性のある動きがしにくい理由、それを上手く見極めて利用するのがカシコイ対応

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これは一通り読み終えたあと、「なるほどなあ」と納得&感心させられた話。語られている内容の主軸そのものに補足する必要は無く、そういえば似たようなケースって結構あるよねえ、という想いが去来する。

公的機関の多分は、柔軟性のある挙動が極力控えられる。言葉は悪いけれど「融通が利かない」。理不尽さを覚える部分もあるのだけど、これは最大多数の最大幸福の観点で考えると、当然の話。何か特殊なケースを現場担当などの自己判断、融通で決定してしまうと、その抜け道的なところへ次々と同じ便益を求める人が出てきて、拡大解釈がなされ、世の中が混乱する。また、その現場担当の権限が巨大なものとなり、行政活動がゆがんでしまう。

そのような混乱を避けるために、法の抜け穴的な部分が少しずつ埋められていき、法体制が出来上がる。融通が利かないとの苦情は当事者の身勝手による部分も少なからずあるし、概してそのような身勝手さによる秩序の乱れを防ぐために、細かい法が創られ、行政はそれに従うようになる。

例えるならば行政はお湯を保存する魔法瓶やパンを焼くトースターではあるけれど、多種多様な調理ができる電子レンジでは無いということ。

見方を変えれば、行政がどのような方向性で動くのか、エンジンがかかる仕組みとなっているのかを知れば、十分なコントロールが可能となる。今件もまさに、エンジンスタートの号令が「逃げると決めた」との意思決定の表明だったわけだ。「コミュニケーション能力」と指摘では表記しているけれど、むしろ「行政の動き方、動かし方のノウハウ」の方が正しいかもしれない。

先日の厚労省の「平成26年国民健康・栄養調査結果の概要」でのマスコミへの非公式な「低所得世帯ほど野菜摂取量が少ない、主食に偏りがち」に関する感想もそう。権限を越えた話はできないし、公式なものとして出すことはできない。それにも関わらず、あそこまで妙な反応が出たのは、お役所ならばどの部局でも、自由自在にオールマイティな見解ができると思っているからなのだろうな、と。実際にはそうじゃないのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2015年12月29日 07:52に書いた記事です。

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