「●×かよ!」と疑問形っぽいけど肯定的な表現の仕方

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年一ぐらいで文部科学省から公開される、言葉に係わる調査結果の話や、「スターマイン」ではじめて知った「とりま」(とりあえず+まあ)という言い回しなど、言葉の使われ方、言い回しの変化ってのは、非常に興味深いものがある。ネットの普及、スマホの浸透で、それらの可視化が容易になったこと、やりとりが活発になったこともあり、あるいは加速化しているんじゃないかな、という気もする。スピードを図る物差しはないんだけどね。

この「●×かよ(!)」という、本来なら疑問形、あるいは否定的な意味合いで使われるはずの言い回しが、実のところ肯定的、賛同的、評価する意味で使われているってのも、当方としては初めて見聞きした。

「みたいな」「ていうか」「かんじ?」のような、強い肯定・断定は避けたいけれど何らかの形で言及したい時の表現方法なのかな。第一印象は否定的だけど、その実は肯定。「なんでやねん」ともちょっと違う。

いや、例えば指摘されている例ならば「かわいいよ!」では強すぎる肯定となり強引さを覚え、反発を受ける可能性もあるので、「か」を加えて和らげていると考えれば、「みたいな」「ていうか」と同じ方向性(断言は避けたい)と同じになる。「か」の部分でワンクッションおいてるんだな。

ただこれって、醤油味が強すぎるから砂糖を足して、甘さでしょっぱさを和らげようという感じの流れで、文法的にはかなり無理な方向性。だからパッと聞きで違和感を覚えてしまう。でも浸透していくのだろうなあ。それもまた、言葉の進歩か。


どのような界隈かはともかく、それなりに使われているようだ。

気になるのは先に挙げた「とりま」も合わせ、どうも表現の上で直接、断言的な表現を避けるような動きが見られること。曖昧な表現が好まれる、求められている、少なくとも自らが口にする時には必要とされている。社会全体としての風潮なのかな。

あるいはテレビやラジオなどで使われている言葉を全部抽出して精査すれば、その辺りの傾向も見いだせるのかもしれないけど......それこそまさにビッグデータの世界だな。

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このページは、不破雷蔵が2015年11月27日 07:45に書いた記事です。

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